店舗数が一気に17%増に
あみやき亭は2024年3月期に、ステーキのファーストフード店「感動の肉と米」を中心に業態転換も含め15店を新規出店する。2023年3月期から本格化している店舗構成の見直しや既存店の収益拡大などの取り組みの一環で、売上高や利益への好影響を見込む。
この業態転換を含む新規出店を大きく上回るのがニュールックの店舗数で、新規出店の2倍近い28店舗が加わることなる。2023年3月末のあみやき亭の店舗数は255店で、撤退や業態転換を考慮しなければ新規出店とニュールックを合わせた店舗数は43店になり、一気に17%ほどが増える計算になる。
もちろん、マスクの着用が個人の判断になったことや、新型コロナウイルスが感染力の強い2類相当から感染力の弱い5類に移行したことなどが影響し、消費マインドが改善することなども売り上げアップの背景にはあるが、店舗数が増えることによる増収、コストダウン効果は決して小さくはない。
2023年は30%を超える増収に
あみやき亭は2021年3月期、2022年3月期に2期連続で営業赤字に陥った。2023年3月期はようやく営業黒字に転換したばかりだが、M&Aによって店舗数が増えることで、復活の軌道に乗ることになりそうだ。
その2023年3月期は、売上高285億3800万円(前年度比32.3%増)、営業利益4億2200万円(前年度は33億8200万円の赤字)だった。ウクライナ情勢や円安の影響などで原材料価格やエネルギーコストの上昇などの悪要因はあったもののコロナ禍に伴う行動制限などが緩和されたことが、売り上げアップにつながった。
次のM&Aに関しては、計画や方向性などについて何ら示されてはいないが、これまで同社がM&Aによって業容を拡大してきた経緯を見ると、次の展開についても、さほど先のことではないことが予想される。
次も関東での事業拡大が可能な企業がターゲットとなるのか、それとも新しい業態の獲得なのか。数年以内には答えが明らかになりそうだ。
文:M&A Online