エンディングノートとは、人生の終末期や死に備えて、自身の思いや情報を書き記しておくノートだ。聞いたことはあっても「まだ必要ない」と考え、作っていないという人も少なくない。そこで今回は、エンディングノートの役割やメリット、そして具体的な書き方について解説する。

エンディングノートの意味は ? 作る意義は ?

まだ9割が未作成 !? 「エンディングノート」の作り方
(画像=hana&choco / stock.adobe.com)

エンディングノートの最大の役割は、自身の情報や考えを備忘録的に書き記しておくことで、残された家族がさまざまな判断や手続きを円滑に進められるようにすることだ。

例えば、家族が自分に代わって医療や介護、葬儀や相続などの手続きを行うにあたって、判断に困った際、エンディングノートに自身の気持ちを書き留めてあれば、自分の希望を家族に伝えることができ、家族の負担の軽減につながる。元気なうちは話しにくいことでも、エンディングノートであれば比較的伝えやすいと感じる人も少なくない。

もちろん、こうした「万が一」は高齢化だけに起因するのではなく、大病や事故のリスクもある。「まだエンディングノートを考える年齢じゃない」と思っていても、大切な人や家族が困らないように、今のうちから備えておくとよいだろう。大切な人や家族に感謝や愛情の言葉を書き残しておくのもおすすめだ。

エンディングノートを作成している人は ?

メリットの多いエンディングノートだが、実際に作成している人はまだまだ少ないのが実情のようだ。

2021年11月に50~80歳の男女1089人を対象にNTTファイナンスが実施した「終活に関する実態調査2021」によると、エンディングノートを利用していると回答した人は全体の8%弱にとどまった。年齢とともに利用率は高まる傾向にあるが、70歳以上に限ってみても13%だけだった。

また、継続的に終活を行なっている人でも、エンディングノートの利用率は25%に満たず、4人中3人は利用していない状況だ。利用したことがない人が始められない理由として最も回答が多かったのは「まだ必要ないと思った」 (50%弱) だった。

エンディングノートはどうやって作ればよい ?

エンディングノートの形や書き方に決まりはないため、自分の好きなノートに自由に書き始めてほしい。もちろん、パソコンを使って作成しても構わない。

また、必ずしも自分でゼロから作る必要はなく、市販されているノートを活用するのも1つの手だ。現在は公的機関や民間企業が作成して無料でダウンロードして印刷できるものやスマートフォンなどで使えるアプリもある。そういったものには記入項目がすでに用意されているため、書き込みやすいだろう。

市販のエンディングノートにもさまざまなタイプがある。最低限の記入項目だけ備わったシンプルなノート、自分史年表を記すページも用意された分厚めのノート、ノートカバーなどの特典がついたものもあり、値段もそれぞれ異なる。特徴を比較し、自分に合うものを見つけよう。

もちろん、エンディングノートは何度でも書き直せるので、使ってみて気に入らなければ書き直せば良い。慎重になりすぎず、まずは1冊手にとってみよう。

エンディングノートには何を書くべき ?

エンディングノートの書き方にルールはない。あまり気負わずに書きたいことから始めたら良いが、「何から書けばよいのか・・・」とお困りの方は、以下の項目を参考にしてほしい。

1.自身のこと

名前や住所などの基本的な情報から、パソコンのログイン情報、親戚やお世話になっているお寺や教会などの連絡先などをまとめておくと便利だ。

2.財産のこと

利用している銀行口座や保険、クレジットカード情報、デジタルサービス (サブスクサービスなど) などは、解約手続きが必要になるため記しておく。相続手続きが必要な不動産などの資産情報はできるだけ詳細に記載しておくと、スムーズだ。また借入金やローンの残債がある場合も明記しておこう。

3.介護や医療の希望

万が一、病気で判断能力が失われた際に、どのような治療や看護を望んでいるのか、また、延命治療や臓器提供に対する考えを書いておけば、自分に代わって決断する家族の心的負担を軽減できる。

4.葬儀について

どんな葬儀やお墓がよいのか、納骨の方法や遺影に使ってほしい写真など希望を記す。

5.家族に対する想いや自分史

家族や友人、お世話になっている方に向けて感謝や愛情の言葉を綴る。また、自分の人生を振り返ることで残りの人生をどう生きるか考えるきっかけにもなるだろう。

気軽な気持ちで書き始めよう

エンディングノートは自分の死後も、自身と家族をつなぐ、いわば「架け橋」のような役割を果たしてくれる。自身のため、そして大切な家族のためにも、堅苦しく考えずに、気が向いた時に書きやすい項目から始めてみてはどうだろうか。

まずは、どんなものが販売・配布されているのか、早速調べてみよう。

(提供:大和ネクスト銀行


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