主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年5月24日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼23日(火)の為替相場
(1):米債務上限問題合意まで協議継続
(2):IMF 英経済見通しを上方修正
(3):ドイツPMIサービス業は上昇
(4):英PMIはいずれもやや低下
(5):米製造業PMIは予想を下回る
(6):米債務上限問題 目立った進展はなし
▼23日(火)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:大幅に上伸する公算は小さい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
23日(火)の為替相場
期間:23日(火)午前6時10分~24日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米債務上限問題合意まで協議継続
米共和党のマッカーシー下院議長は、米債務上限を巡るバイデン大統領との協議を終えて「合意には至らなかったが、協議は建設的だった」と発言。その後、バイデン大統領も「債務不履行(デフォルト)の選択肢はないという点で下院議長と一致した」とした上で、合意するまで協議を継続すると表明した。
(2):IMF 英経済見通しを上方修正
英4月公共部門純借入は256億ポンドと市場予想(191億ポンド)を上回った。物価連動債の利払いやエネルギー補助金の増加で財政赤字が膨らんだ。一方、国際通貨基金(IMF)はこの日、英国経済の見通しを上方修正。2023年の成長率予測を従来の-0.3%から+0.4%に引き上げた。また、3月時点で10%を超えていたインフレ率は23年末までに5%程度まで低下するとの見通しを示した。
(3):ドイツPMIサービス業は上昇
独5月PMI・速報値は製造業が42.9と予想(45.0)に反して低下した一方、サービス業は57.8と予想外に上昇した(予想55.0)。その後に発表されたユーロ圏5月PMI・速報値も傾向は概ね同じで、製造業は44.6と予想(46.0)を下回ったが、サービス業は53.3と概ね予想通り(予想53.5)だった。
(4):英PMIはいずれもやや低下
英5月PMI・速報値は製造業が46.9(予想48.0)、サービス業が55.1(予想55.3)となり、いずれも前月からやや低下した。
(5):米製造業PMIは予想を下回る
米5月PMI・速報値は製造業が48.5と予想(50.0)を下回った一方、サービス業は55.1と予想(52.5)に反して前月から上昇した。
(6):米債務上限問題 目立った進展はなし
ホワイトハウスと共和党担当者による債務上限を巡る協議が行われたが、目立った進展はなかった模様。その後、マッカーシー下院議長は「本日はホワイトハウスに行く予定はない」「本日中に合意に至るとは考えていない」などと発言した。
23日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:大幅に上伸する公算は小さい
昨日のドル/円は年初来高値を更新したものの伸び悩んだ。6月の利上げ停止観測が後退する中、米長期金利の上昇を受けて半年ぶりに138.90円前後まで上昇した。しかし、債務上限引き上げを巡るホワイトハウスと共和党の協議に進展が見られなかったことで米国株が軟化すると138円台前半へと押し戻された。終値は前日比ほぼ横ばいの138.59円前後だった。
米債務上限問題については、米財務省が6月1日にも政府資金が底をつくと試算していることに対し、共和党から懐疑的な見方が出るなど、与野党対立の根は深い。交渉決裂で債務不履行(デフォルト)という最悪のシナリオは回避されるとしても、2011年と同様に土壇場の決着になる可能性が高そうだ。本日中の交渉妥結は考えにくく、ドル/円は仮に139円台に乗せても大幅に上伸する公算は小さいだろう。一方、土壇場決着への期待が残るうちはドルの下値は堅そうで137円台のサポートは維持されよう。
注目の経済指標:英消費者物価指数
注目のイベント:BOE、ECB両総裁発言
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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