本記事は、末岡由紀氏の著書『お金の引力』(サンマーク出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
お金持ちになる必須条件! 「親ガチャ失敗」なら親から逃げろ
もし君が、「自分は親ガチャ失敗だった」と思っているなら、すぐにでも親の下から逃げるべきだ。
いきなりこんなことを言うと、「お金持ちになる」ことと親にどんな関係があるのかと君は思うかもしれないね。
じつはお金持ちになるには、健全な心を持っていることがスゴく大事なんだよ。
親との関係がうまくいっていないと、心が荒れてしまう人は少なくない。
親の影響というのは自分が思っている以上に大きい。経済的に頼っている若いうちはなおさら。親子関係は子どもの心の状態を左右する。
ではなぜ、お金持ちになるには健全な心を持っていることが大事なのか。
僕が言う「お金持ちになる」という言葉は、単にお金をたくさん持っている人になるという意味ではないんだよ。
僕の「お金持ち」の定義はこうだ。
お金と時間と場所から解放され、人生の夢をかなえ、
多くの人から愛され、
自分の生み出した富を多くの人に還元している人。
これを実践できている人が本物の「お金持ち」だと思っているし、君にはそんなお金持ちになってほしい。
でも心がすさんでいたら、こうはなれないだろう?
だから健全な心が必要で、そのための一歩が親との関係をなんとかすることなんだ。
しかし親との関係を良くするのは容易ではない。
じつは僕も「親ガチャ失敗だった」と思っていた1人だ。
僕の母親は僕が2歳、弟がまだ0歳のときに離婚をした。僕は6歳までシングルマザーの母親の下、親子3人で暮らしたんだ。この頃は親子3人がスゴく仲良しだった。よく3人で小さなテーブルを囲んで、かっぱえびせんを食べた。テーブルの真ん中にかっぱえびせんの袋を置いて、かっぱえびせんにマヨネーズをつけて食べた。
母親は昼も夜も働き通しできっと苦労したと思う。住んでいたのは市営団地の狭い家。いかにも貧乏だったなあ。でも楽しかった。
それが変わったのは、母親が再婚をしてから。
母親は僕が6歳のときに1度目の再婚をし、翌年に離婚。そして僕が12歳のときにまた再婚したのだけれど、このとき新しくできた父親との関係が最悪だった。
父親は言葉遣いが悪く、「バカ」「アホ」といった言葉を普通に使った。僕にも弟にも、人としての尊厳をふみにじるような接し方をした。肉体的な暴力こそふるわなかったけれど、精神的な暴力をふるってきた。
そんな父親と正面から良き関係を築くなんて無理だった。
ではどうしたかというと、僕は家を出た。親の下から逃げ出したんだ。大学2年のときだった。勝手に家を出たのだから、生活費は自分で工面しなければならなくなった。生活は楽ではなくなったけれど、これは自分にとっても親にとっても正解だった。
うまくいかない相手とは、一旦物理的な距離を取る……。
これは相手が親に限らずとても大事なことだと思う。
距離を取れば相手の言動に左右されなくなる。相手がまとう不穏な空気にも影響されなくなる。それだけで自分の心は健康に近づく。
自分の心が健康になると、相手に対しても多少は寛大になれるものだよ。
僕は父親と長い間距離を取り、関係が少し落ち着いた後は、父親のいい部分だけを見るように努力した。どんな人間にもいい面は必ずあるものだからね。
だから父親との過去の一切合切をできるだけ思い出さないようにして、父親のいい部分とだけ付き合うようにした。そうしたら、不思議と父親もかつてのような暴言を吐かなくなった。
とはいえ、まだ完全に父親との間のしこりが取れたわけじゃない。それほど親子関係というのはむずかしいと思う。
もし今君が親との関係を悩んでいるなら、一旦親と離れることは賢い選択のひとつだと思う。
- うまくいかない相手とは物理的な距離を取ろう