1年以内に1社が上場の可能性も
-御社自体も2020年にSaaS(サービスとしてのソフトウエア)の受託開発力の強化を目的に、モバイルアプリ・ゲームの開発会社を買収されています。現在はどのような状況でしょうか。
実はあまりうまくいっていません。今は自社のサービス開発だけに絞ってやっており、他社の開発は受けていない状況です。ただ、どちらかというと自社のクラウド系のサービスの開発を加速するというのがメインの狙いでしたので、今の状況で大きな問題はないと考えています。
-ファンドの運営も行っておられますね。
ファンドは2種類ありまして、一つはベンチャーキャピタルで、もう一つは再生ファンドです。再生ファンドの方は、新生銀行さんの子会社と一緒にやらせていただいており、まだ一社しか投資実績がありませんが、経営改善は順調に進んでいます。
ベンチャーキャピタルの方は2号ファンドの投資が、もうすぐ完了します。1号ファンドでは2社が上場しています。2号ファンドでも1年以内に1社が上場できる可能性があります。順調に進んでいるのではないでしょうか。
-ところで2023年2月期は赤字でした。2024年2月期は黒字転換を予想されています。第1四半期が終わった時点で状況はいかがでしょうか。
第1四半期は大きな赤字になりました。広告宣伝費が膨らみ費用が予算より大きくなってしまったのが原因です。第2四半期以降は費用を抑えていきますし、人員の見直しを行ったところ、大きく中途採用をしなくても、まだまだ売り上げを伸ばしていけるとの見通しが立ったため、通期では黒字化できると考えています。
【安藤広大氏】
2002年、エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現NTTドコモ)入社
2006年、ジェイコム(現ライク)入社
2010年、ジェイコム(現ライクスタッフィング)取締役東京本社営業副本部長
2012年、同社営業副本部長兼東京本社営業部長兼事業開発部長
2013年、WEIC入社、執行役員社長室長
2013年、KDI設立、代表社員(現任)
2015年、識学設立、代表取締役社長(現任)
2017年、ARS設立、代表取締役(現任)
文:M&A Online