レイクス蒸留所の製法
多彩な味わいのウイスキーを生み出すレイクス蒸留所には、次のような製法の特徴があります。
それぞれ詳しく解説します。
- 複層的なフレーバーを生むエレヴァージュ
- フルーティーな味わいを生む長時間発酵
- 2種類のコンデンサー
複層的なフレーバーを生むエレヴァージュ
レイクス蒸留所のウイスキーの特徴は多層的で複雑なフレーバーで構成されている点であり、その特徴を生み出すのが「エレヴァージュ」という製法です。
エレヴァージュとは
熟成・育成を意味するフランス語で、主に発酵の終わったワインをタンクや樽に入れて品質が安定するまで保管する工程を指す。
エレヴァージュはワインやコニャックの製法で、ウイスキー造りでエレヴァージュが採用されるのはレアケースです。
レイクス蒸留所で採用しているエレヴァージュとは、原酒を樽に入れた後、定期的に樽ごとのフレーバーをチェックし、徐々に変化する樽ごとのフレーバーに合わせて、樽から樽へと原酒を移して原酒を育てる工程です。
繊細かつ非常に手間のかかるエレヴァージュによって、レイクス蒸留所のウイスキーに複雑で複層的なフレーバーが付与されます。
レイクス蒸留所では、熟成にサイズの異なるアメリカン・スパニッシュ・フレンチのオークを使用しており、80~90%がシェリー樽です。
フィノ、オロロソ、ペトロヒメネスのシェリー樽のほか、例外的にマンザニア、ハッキングシェリーも採用しています。
フルーティーな味わいを生む長時間発酵
レイクス蒸留所のウイスキーは、発酵中に3種類の異なる酵母株を組み合わせて約96時間もの長時間発酵を経ています。
通常、48時間発酵させれば蒸留が可能であることを考えると、レイクス蒸留所は業界平均の約2倍。
この長時間の発酵により、非常にフルーティーな香味が原酒に付与されます。
レイクス蒸留所では、今後もフルーティーな香味、そしてシリアル感のある香りを出すため、原料やイースト菌・製造方法を追求していきたいと考えています。
サラ・バージェス氏は、「レイクス蒸留所は、一度フレーバーのレシピを作ったらそれで終わりではありません。常に進化を遂げていくものと考えておりますので、継続的に新しいイーストや新しい市場を模索し、今までなかったようなバラエティを持たせる可能性を探究してまいります」と語ってくれました。
2種類のコンデンサー
レイクス蒸留所の設備でユニークなのは、蒸留液を冷やすコンデンサーが2種類ある点です。
銅製とステンレス製の2種類のコンデンサーがあり、蒸留液をどちらで冷やすか選択できるのです。
コンデンサーの材質は、スピリッツの酒質に大きく影響します。
造りたい味わいに応じて使用するコンデンサーを変え、より細かく味わいをデザインしているのでしょう。