親の資産が大きい場合、相続した際にこれまで扱ったことがない金額 (資産) を手にする人も少なくないはずだ。資産規模が大きいと、運用した際の価値の変動額も大きくなりやすく、そのことに不安を感じる人もいる。

本記事では、相続の際に相談できる金融機関などの運用担当者がいないケースを想定し、注意点やよくある悩み、相続した資産を運用する際のポイントについて解説する。

親の資産を相続する際にすべきこと

相続した親の資産、運用する際の注意点やポイントは ?
(画像=78art / stock.adobe.com)

まず、親の資産を相続する際のポイントについて解説する。

相続した資産の整理

親の資産を相続する際には、何を相続する権利があるのか、実際に相続した資産にはどのくらいの価値があるのかを整理することが必要だ。

相続できる資産があるのにその存在を知らなければ、当然、その資産を活用して資産運用をすることができない。また、資産によっては放置しておくと相続人としての権利が消滅するリスクもある。

相続した資産の価値を把握することも重要で、具体的には土地や建物、株式、債券などにどのくらいの価値があるのか、しっかり確認しなければならない。資産規模が分かっていないと、適切な資産運用の方法選びもできなくなる。

負債などもないか確認する

相続する際には、親に負債がなかったか確認することも重要だ。相続では資産だけではなく負債も引き継ぐことになる。資産が負債を上回っていれば大きな問題はないが、負債の方が多い場合は相続放棄などの対応を検討する必要が出てくる。

相続した資産が大きい場合によくある悩み

いざ親の資産を相続し終えて、その規模が大きい場合、どのような悩みに直面することが考えられるだろうか。多額の現金を相続したケースや、相続した不動産などを現金に換えたケースだと、次のような3つの悩みを抱えやすい。

現金のままにしておくべきかどうか悩む

まずは、相続した現金をそのまま預金しておくか悩む人が多い。

資産運用をするかどうか悩む

前述の悩みを持つようになったら、頭に思い浮かぶことの一つが資産運用をするかどうかだ。金額が大きい場合、無理に資産運用をしなくても十分に相続した人の資産が増えることになるため、それでも資産運用した方がいいか悩むことがある。

資産運用するならどういう方法が良いか悩む

そして最終的に資産運用をすることに決めても、どのような方法が適切か悩むことになる。

相続した資産を運用する時のポイント

いずれにしても、資産を膨らますことを目指すのであれば、規模にかかわらず投資をすることになる。その際、ポイントを知っておけば資産規模が大きくても、後悔しにくい。

最低限確保したい金額を決める

まずは自分が想定しているシニアライフに合わせて、最低限確保したい金額を決めよう。その金額分は資産運用に回さないか、投資するとしてもリスクが低めのものを選ぶべきだ。

各資産運用方法の資産価値のボラティリティを調べる

投資に回す資産の金額を決めたら、どういった「ポートフォリオ」を組むのかも重要になってくる。ポートフォリオとは、投資する金融商品の組み合わせのことで、リスクが許容範囲内になり、かつ一定のリターンも期待できるよう、しっかりと検討することが大切だ。

例えば一般的に「個別株」と「インデックス型の投資信託」では個別株の方が価値の変動幅が大きい。同時に価値が下落しないよう、性質の異なる資産を組み合わせることもポイントとなり、「個別株+債券」といった組み合わせをしている人もいる。

FPに相談するのもあり

最終的に自分で判断することができなければ、FP (ファイナンシャル・プランナー) に相談するのもありだ。FPによって得意分野は異なるが、資産運用に強いFPなら相続した資産の運用で強い味方になってくれる。

ただし、FPに相談をする際には「ポジショントーク」に注意したい。保険会社に所属しているFPなら保険商品を、証券会社に所属しているFPなら株式を、不動産会社に所属しているFPなら不動産運用を、FP自身に入る手数料のために無理に勧めてくることもある。

次の世代への相続も考える

長期的な視点を持つことも忘れないようにしよう。もし子供がおり、自分が相続した資産を次の世代にも引き継ぎたいのであれば、元手の価値が大きく減る可能性があるハイリスクな投資は避けるべきだろう。

冷静に資産運用の方法を検討しよう

相続した資産が大きいと、それを元手にもっと資産を増やそうと、欲が生まれてしまいやすい。しかしあまりにその欲が強く、大きなリスクを背負い込んでしまう投資をしてしまうと、せっかく引き継いだ親の資産の価値が大きく目減りしてしまうこともあり得る。

相続する資産規模にかかわらず、この記事で説明したポイントを押さえ、冷静に資産運用の方法を検討することが重要だ。

(提供:大和ネクスト銀行


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