戦略を変更 同業者のM&Aも
―今後も不足する部分や機能を拡充するためのM&Aを続けられるのですか。
今、ちょうど変革期に来ているのではないかと思っています。PR業界は60年くらいの歴史がありますが、オーナー社長で10人から50人ぐらいの規模でやっている会社がたくさんあります。200社ぐらいあるとされています。この中には事業承継のフェーズに入っている会社も多くあると思っています。こうした会社で我々のビジョンに共感してくれるところがあれば、一緒になってやっていきたいと考えています。
-戦略が変わったのですね。
そうですね。全くの類似の会社と一緒にやっていくっていうのは、これまでは無かったですね。補い合っていける相手とのM&Aでしたが、今後は同業の会社も考えていきます。
―中期経営計画を策定されています。具体的な内容をお教え下さい。
実はIPO(新規株式公開)を控えていることもあって、具体的な数字は出せませんが、過去4年で売上高が2倍になっています。今後はこれを超える勢いで成長したいと考えています。IPOについてもそう遠くない時期に実現できると思っています。
-ところで「LOSS IS MORE」というプロジェクトに参画されています。どのような取り組みなのですか。
LOSS IS MOREは廃棄される素材に課題を感じている人たちと、優れた技術を持つ人たちをつなぎ合わせることによって、新しいプロダクトとして世の中に送り出していくという取り組みです。
今、手がけているのはLOSS IS MORE GINというプロジェクトです。母の日にはカーネーションが店前に並びますが、母の日が終わると大量に廃棄されてしまいます。この廃材と東京の蒸留所をつなぎ合わせることで、廃棄される予定だったカーネーションがお酒という形に変わり世の中に出ていっています。
我々はPRのパートナーとして参画をしていて、この素晴らしい取り組みを広げていくことに協力しています。これによって収益を上げるというわけではありませんが、今後も新しいプロダクトを作っていく時にはPRのパートナーとして支援をさせていただこうと考えています。
【青﨑曹氏】
2010年、コーチジャパン(現タペストリージャパン)入社
2011年、マテリアル入社
2019年、マテリアルグループ/マテリアルの代表取締役社長に就任
1987年生まれ、東京都出身
文:M&A Online