米シリコンバレーで創業したHOMMAは、米国でスマートホーム事業を展開しており、将来は日本にも進出する意向を持つ。2023年7月に京都で開催されたスタートアップワールドカップ京都予選に参加し、見事優勝を果たした。HOMMAとはどのような企業なのか。また、どのような出口戦略を持っているのか。HOMMAの本間毅Founder & CEOにお考えをお聞きした。

設計からサポートまで全てに対応

―米国でスマートホーム事業を展開されています。

HOMMA Groupはシリコンバレー発祥の会社で、売り上げの100%、社員の90%がアメリカです。現在は自社で開発したスマートホームのテクノロジーを、集合住宅のデベロッパーさんなどに提供しています。設計段階から入ってデバイスの選定から設置、ソフトのライセンス提供まで全て行っています。

-日本でも事業を展開するのですか。

日本でやりたいという気持ちはあります。ただ、アメリカは日本の約3倍の人口があり、マーケットが非常に大きいので、アメリカにきちんとフォーカスしてプロダクトとビジネスを作り上げていくというのがまずあります。これをやりながらタイミングを見計らって日本に行くという順番になります。

-いつ頃というような数字的な目標はないということですか。

ないですね。アメリカで粛々といいモノを作り続け、そこでお声がけがあった時にタイミング良ければ行くみたいなことではないのかなと考えています。

-まずは米国でベースを作ってということですが、どういう状態になると、米国で目標を達成したことになるのでしょうか。

例えば我々のテクノロジーを導入した物件が、賃料が高く取れる実績が積み上がり、クライアントの物件でしっかりと利益が出せるようになり、それがコンスタントに回っていく状態ができれば、一通りは完成という形になります。

さらに何百件、何千件とオーダーが来ても、インストールや設定作業を独自のソフトウエアで効率的に短時間で行えて、完成後もリモートで管理をしっかりと行える状態を確立し、基本的な技術の完成度を高めていくことが重要だと考えています

―新築だけでなく、既設の住宅も対象にされる予定ですか。

可能性はあります。ただアメリカでは新築のボリュームだけでも大きく、そこをしっかりと取りたいと考えています。また、壁の裏の配線やセンサーの位置、天井に埋め込む機器などを考えると、新築の方が、効率が良くなります。このため向こう3年間程度新築フォーカスだろうなと思っています。

-米国の市場が大きいとのことですが、どのくらいの規模であるとお考えなのでしょうか。また日本の市場はいかがでしょうか。

スマートホームといってもいろいろあり、アメリカでは自身で機器を買ってきて自身で設置することが主流で、我々のようにデベロッパー向けに設計の段階からサポートまで全て対応している会社はあまりありません。こうした状況ですので、軒数で言うのは難しいですが、機器の販売だけでも日米合わせて16兆円規模と言われています。