年収1,000万円の割合や手取り額は?生活レベルや目指す方法も解説
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丸山 優太郎
丸山 優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。

年収1,000万円は多くの人が憧れる高収入の基準のひとつです。実際、年収1,000万円以上稼ぐ人はどれくらいいるのでしょうか。本記事では、年収1,000万円を超えている人の割合や手取り額、生活レベル、目指す方法などについて解説します。

目次

  1. 1.年収1,000万円以上の割合はどれくらい?
  2. 2.年収1,000万円の手取り額とかかる税金
  3. 3.【世帯別】年収1,000万円の生活レベル
  4. 4.年収1,000万円を目指す3つの方法
  5. 5.年収1,000万円を目指すなら新築区分マンション投資がおすすめ
  6. 6.年収1,000万円を目指すなら副業や投資が必要

1.年収1,000万円以上の割合はどれくらい?

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まずは、年収1,000万円以上稼いでいる人はどれくらいいるのか、全体の割合と年代別の割合について確認していきましょう。

1-1.全体の割合

国税庁が行った「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者5,270万人のうち、年収1,000万円を超えている人は258万4,000人で全体の4.9%です。100人に約5人の割合で、年収1,000万円のハードルの高さがわかります。

1-2.年代別の割合

年齢区分 男性 女性 合計
20代 0.0% 0.0% 0.0%
30代 1.2% 0.5% 1.7%
40代 3.5% 1.2% 4.7%
50代 7.7% 1.6% 9.3%
60代 3.7% 1.1% 4.8%
70代以上 2.1% 0.8% 2.9%

厚生労働省が行った「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、年代別では年収1,000万円以上(統計上の区分は月収80万円以上)の人は男女合計で20代0.0%、30代1.7%、40代4.7%、50代9.3%、60代4.8%、70代以上2.9%となっています。

20代では難しく、30代でもわずかな比率です。管理職になる人が増える40代以降でないと年収1,000万円に到達するのは難しい現実が浮かび上がります。

2.年収1,000万円の手取り額とかかる税金

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年収1,000万円は見た目こそ大きな金額ですが、引かれる税金が高く、手取り額はかなり減ってしまいます。ここでは、年収1,000万円の手取り額の目安や、かかる税金の計算方法について紹介します。

2-1.手取り額の目安

年収1,000万円の手取り額は、以下のように算出します。

年収-所得税-住民税-社会保険料=手取り額

年収から差し引かれる所得税や住民税、社会保険料の目安は以下のとおりです。インターネット上に掲載されている年収別の手取り額早見表は設定条件がそれぞれ異なるため、3つのサンプルサイトの下限〜上限を記載しました。

  所得税 住民税 社会保険料
年収1,000万円 81.6~85万円 62.4~64万円 120.4~129万円

上記を踏まえて計算すると、年収1,000万円の手取り額の目安は722〜735.6万円程度となります。ただし、手取り額は使える所得控除の数や扶養している家族の人数などにより変動するものです。人によって異なるため、あくまでも参考程度にお考えください。

2-2.税金の計算方法

年収から差し引かれる所得税と住民税は、それぞれ以下のように計算されます。

・所得税
所得税には累進課税制度が採用されています。累進課税制度とは、課税対象となる金額が高くなるにつれ税率も高くなる制度のことです。年収から各種控除額を差し引いた課税所得の金額を、下記の一覧表に当てはめて計算します。

課税所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

・住民税
住民税は、課税所得に対して10%が課税されることに加え、均等割の5,000円が加算されます。住民税は原則、どの地域でも同じ方法で計算されますが、標準税率ではない税率を使用している市町村もあるため、そのような場合は同じ所得でも異なることがあります。

3.【世帯別】年収1,000万円の生活レベル

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年収1,000万円の人は、どのような生活レベルなのかも気になるところでしょう。ここでは、家族構成別に家計の一例を紹介します。なお、年間でかかる費用を月額換算したものもあるため、毎月の出費がこの金額というわけではありません。

3-1.都内在住:単身世帯の場合

・30歳、男性、経営コンサルタント
・手取り年収724万円(手取り月収:45万円、ボーナス:184万円)

家賃 150,000円
食費 50,000円
水道光熱費 20,000円
通信費 20,000円
保険料 15,000円
医療費 2,000円
消耗品費 10,000円
家具・家電 20,000円
車両費 60,000円
交通費 0
趣味・娯楽 50,000円
交際費 50,000円
支出合計 447,000円
貯蓄 ボーナスのみで行う

30歳独身の経営コンサルタントAさんの手取り月収は45万円、ボーナスは184万円です。都内のタワーマンションに住み、家賃は毎月15万円支払っています。お気に入りの車に乗り、マイカーローン・駐車場代・ガソリン代を含め車両費は毎月6万円程度。移動は車で行うため交通費はかかりません。

独身なので趣味・娯楽も楽しみ、車・交際費・趣味にそれぞれ月5〜6万円程度かけています。食事はコンビニやデリバリーの利用が多く、食費が月にすると5万円程度になってしまうのが難点です。毎月の収支はぎりぎりのため貯蓄はボーナスで行い、優雅な独身生活を楽しんでいます。

3-2.都内在住:夫婦2人子ども1人世帯の場合

・夫50歳、妻45歳専業主婦、子どもは大学生
・手取り年収752万円(手取り月収:47万円、ボーナス:188万円)

家賃(ローン) 130,000円
食費 45,000円
水道光熱費 25,000円
通信費 30,000円
保険料 20,000円
医療費 5,000円
教育費 90,000円
消耗品費 10,000円
家具・家電 15,000円
車両費 20,000円
交通費 10,000円
趣味・娯楽 20,000円
交際費 10,000円
夫小遣い 40,000円
支出合計 470,000円
貯蓄 ボーナスのみで行う

大学生の子どもがいるB家の手取り月収は47万円、ボーナスは188万円で、妻が専業主婦の片働き世帯です。教育費の出費が大きく、月にすると9万円近くかかっています。住居費は持ち家のローン返済が月13万円程度。一戸建てで駐車場があるため車両費は少なめです。夫は上場企業の部長職で、部下も多く小遣いと交際費で月5万円もらっています。

月の収支は赤字にならない程度で乗り切っているため、貯蓄はボーナスで行います。単身世帯と違い、ファミリー世帯においては手取り年収700万円台では、優雅な生活というわけにはいかないようです。

3-3.都内在住:夫婦2人世帯の場合

・夫27歳、妻25歳の会社員夫婦
・手取り年収:768万円(手取り月収:48万円、ボーナス:192万円)

家賃 100,000円
食費 50,000円
水道光熱費 20,000円
通信費 25,000円
保険料 15,000円
医療費 5,000円
消耗品費 10,000円
家具・家電 10,000円
車両費 35,000円
交通費 10,000円
趣味・娯楽 10,000円
交際費 10,000円
夫婦小遣い 80,000円
支出合計 380,000円
貯蓄 100,000円

共に20代で会社員のCさん夫妻は家賃10万円の1DKマンションに住んでおり、将来の持ち家を夢見て月10万円程度貯蓄しています。夫婦の収入を合わせて年収1,000万円を超えるケースです。

夫婦で外食に出かけることも多く、食費はファミリー世帯よりも多い傾向。小遣いとしてそれぞれ4万円ずつ使っています。旅行や高額家電などはボーナスから出費するため、趣味・娯楽、家具・家電費の月額費用は少なめです。子どもが生まれるまでは、ある程度優雅な生活を送れる可能性があります。貯蓄は月給とボーナスの両方で行っており、比較的堅実な家計といえます。

4.年収1,000万円を目指す3つの方法

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続いて、年収1,000万円を目指す3つの方法について紹介します。

4-1.昇進・昇格、転職で給与アップを狙う

基本は給与を上げることです。一般的には勤続年数が長くなれば基本給が上がっていくため、年収は徐々に増えていくでしょう。

ただし、基本給が上がるだけで年収1,000万円を超えるのは難しいかもしれません。そのため、社内での昇進や昇格を目指すことも必要です。仕事の責任は重くなりますが、役職手当がプラスされ、年収を押し上げます。また、自身のスキルが高い場合は、転職して収入を上げるのも有効な方法です。

4-2.副業・フリーランス活動で給与以外の収入を得る

最近は副業を認める企業が増えています。副業は以下のようにいろいろなスタイルがあります。

・短時間のパートやアルバイトを行う
・不用品やハンドメイド品をフリマアプリなどで販売する
・フリーランスとしてクリエイティブ系の仕事を請け負う
・塾や教室などの講師になる
・投資を行って、副収入を得る

家庭の事情に合わせて、可能なものを選択しましょう。

4-3.起業・独立で年収の大幅アップを目指す

起業や独立で年収アップを目指すのも有効な方法です。ただし、起業や独立は副業と違い会社を退職して行うことになるため、背水の陣で臨む覚悟が必要です。とくに、すでにある程度の年収を得ている人の場合は、一度その年収を捨てることになるため、よほど目算が立つ事業内容でない限り、リスクが高いと心得るべきでしょう。

5.年収1,000万円を目指すなら新築区分マンション投資がおすすめ

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年収1,000万円を目指す方法は複数ありますが、すでにある程度の年収がある会社員がリスクや手間を抑えて年収アップを目指すなら、新築区分マンション投資もおすすめです。

新築区分マンション投資とは、新築マンションの1室を購入して賃貸に出し、家賃収入を得る不動産投資方法で、以下のようにさまざまなメリットがあります。

5-1.他人資本で始められ、融資審査も有利に進められる

新築区分マンション投資では、金融機関から融資を受けて物件を購入するのが一般的です。基本的にローンの返済は家賃収入から行うことになるため、他人資本を用いたマンション経営が可能になります。

また収入が安定している会社員は、自営業者やフリーランスの人より融資審査を有利に進められる点もメリットです。万が一空室が出た場合、手持ち資金から返済することになるため、決まった収入のある会社員は金融機関からの評価が高くなるのです。

5-2.安定的な需要が見込める

新築マンションは常に一定の人気があります。中には新築マンションに限定して探しているユーザーもおり、安定的な入居需要が見込めます。また、新築マンションはそもそも物件数が少ないので希少性が高く、入居者募集の広告でもユーザーの目に留まりやすいというメリットがあります。

5-3.節税効果と売却のしやすさも魅力

不動産投資は初期費用が多くかかるため、初年度は赤字になりやすい傾向があります。しかし、不動産所得が赤字になった場合でも、会社員なら給与所得と「損益通算」ができ、所得税を減らすことが可能です。また、RC造の新築マンションは法定耐用年数が47年ですが、新築なら減価償却をフル活用して経費にすることができます。

さらに、新築マンションは中古マンションに比べて売却しやすい点も魅力です。仮に新築マンションを35年ローンで購入したとしても、ローン完済後はまだ築35年なので十分に資産価値が残っており買い手も見つかりやすいでしょう。

6.年収1,000万円を目指すなら副業や投資が必要

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年収1,000万円のラインは、何かの事業を行っている経営者なら業績の伸長によって一気に到達することもできるかもしれません。しかし、平凡な会社員が到達するのは容易なことではありません。年収600〜700万円程度の中間所得者層が年収1,000万円を目指すには、本業の他に副業や投資を行う必要があります。

副業や投資にかけられる時間や資金は人それぞれですが、忙しくて元手もあまり用意できないという人には、新築区分マンション投資がおすすめです。物件の管理や運営に関わる業務はすべて外注可能なので、本業に影響を与えてしまうこともないでしょう。

給与以外の収入も得て年収1,000万円を目指したい人は、一度検討してみてはいかがでしょうか。

(提供:Dear Reicious Online



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