老後の生活資金に不安を感じる人は多く、中には実際に「老後破産」に陥ってしまう人も少なくない。一体どのような原因で老後破産に陥るのか。老後破産を回避して豊かなシニアライフを送るためにはどうすればいいのか。そのための資産運用術を解説しよう。

老後破産とはどういう状態 ?

他人事ではない「老後破産」に備えるには ? 資産運用のポイントを解説
(画像=BBuilder / stock.adobe.com)

老後破産とは、その言葉通りに老後になってから自己破産をするケースや、貯蓄が底をつくなどして家計が維持できない状況に陥るケースなどを指す。ニュースなどでは、具体的にその人が自己破産をしたかどうかというより、後者の困窮を指すケースが多い印象だ。

この記事では、後者のケースを老後破産とし、説明していく。

老後破産に陥る原因

老後破産に陥る人は、どのような事情が原因になっているのだろうか。

多くの場合、貯蓄が底をついたり年金で生活費をまかなえなくなってしまったりするのは、元々貯蓄が少なかったか、シニアになっても多くの支出が発生してしまうことで起きる。また、老後の生活資金計画を適切に立てていなかったことも原因になり得る。

定年退職後も残る住宅ローン

定年退職後も住宅ローンの支払いが続くと、収入が年金頼りの中では支払いの負担が大きい。リタイア後にローンの支払いが続くことはあらかじめ分かっていることで、その支払いのための資金を用意していないと、貯蓄が相当のスピードで減っていくことになる。

想定以上に膨らんだ子どもの教育費用

リタイア後の生活資金の計画を早期に立てていたとしても、子どもの教育費用が想定以上にかかると、シニアになるまでに十分な貯蓄ができない状況に陥りやすい。例えば、複数いる子ども全員が私立大学に進学したケースなどでは、学費の負担が大きくなる。

現役時代と変わらない (変えられない) 支出

通常、シニア世代になると収入が減るため、収支のバランスを保つのならば支出も減らすべきだ。しかし、現役時代と生活スタイルを変えず (もしくは変えられず) 、お金の使い方がそのままであれば、毎月手元にお金がほとんど残らない状況や、貯蓄が早いペースで減る状況に陥る。

医療・介護費用の負担増加

重病を患ったり、介護が必要な状況に陥ったりすると、支出が増えやすい。日本では医療費の負担を抑えるための「高額療養費制度」があるが、制度の対象とならない先進医療などを受ける場合、大きな負担としてのしかかる。

介護に関しても、介護保険が適用されない介護サービスを任意で受ける場合は、費用を用意しなければならない。

老後破産に陥らないための対策

ここまでに紹介したような状況に陥らずに老後破産を回避するためには、事前に対策を講じることがポイントとなる。

私的年金に加入しておく

必ず取り組んでおきたいことの一つが「私的年金」に加入しておくことだ。シニアになってから公的年金にプラスしてお金を受け取れる制度で、具体的な私的年金としては「iDeCo (イデコ) 」と呼ばれる個人型確定拠出年金や、国民年金基金がある。

iDeCoは加入者自身が掛金を拠出して運用し、原則として60歳から受け取りを開始できる。国民年金基金は、自営業やフリーランスの人が加入できる私的年金制度だ。

貯蓄をできるだけ増やす

現役時代に貯蓄をできるだけ増やす視点も重要だ。貯蓄を増やすためには、2つのアプローチがある。「収入を増やすこと」と「毎月必ず貯蓄をすること」だ。収入を増やす方法は昇進や転職などが思い浮かぶが、毎月必ず貯蓄をするためにはどうすればいいだろうか。

一般的には、銀行の普通預金で積立を行っていく方法や、給料から天引きを行う「財形貯蓄制度」などを利用する方法が挙げられる。ただし、せっかく積立に取り組むのであれば、日本円を金利が高めの外国通貨に換えて、普通預金で積立ができる「外貨積立」を行い、金利収入も狙いたい。

退職金を運用する

退職金でまとまったお金が入ったら、その資金は資産運用で堅実に増やしていきたいところだ。

シニアになってから資産を増やす場合、投資対象を保有し続けるだけで安定してリターンを得られ続ける「インカムゲイン」を狙いたい。インカムゲインとは、例えば不動産投資でいえば「家賃」のことを指す。

インカムゲインが得られる投資の中で代表的なものに「外貨預金」がある。日本円より金利が高い通貨で預金をすると、円で預金をした場合よりも多くの利息が得られる。

資産運用は早く始めた方が有利

資産運用は一般的には早く始めた方が有利だ。例えば外貨預金の場合、受け取る利息の合計は期間が長ければ長いほど多くなるし、利息をまた外貨預金で運用すれば、利息が利息を生む状況となる。

老後を迎えてから取り返しのつかない事態に陥る前に、今からできることを始めたい。

(提供:大和ネクスト銀行


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