主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年11月6日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼3日(金)の為替相場
(1):米雇用統計発表後にドル急落
(2):米ISM非製造業景況指数、5カ月ぶり低水準
(3):クロス円、高値更新
▼3日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドル売りと円売りの綱引きで方向感の出にくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(金)の為替相場
期間:3日(金)午前6時10分~4日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米雇用統計発表後にドル急落
米10月雇用統計は非農業部門雇用者数が15.0万人増にとどまり市場予想(18.0万人増)を下回った。8月および9月の雇用者数は合計10.1万人分が下方修正された。また、失業率は3.9%と予想(3.8%)を上回り、2022年1月以来の水準に上昇。平均時給は前月比+0.2%、前年比+4.1%だった(予想+0.3%、+4.0%)。米労働市場の軟化が意識され、米長期金利が低下するとドルが下落。市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルは終了したとの見方が広がった。
(2):米ISM非製造業景況指数、5カ月ぶり低水準
米10月ISM非製造業景況指数は51.8と市場予想(53.0)を下回り、前月(53.6)から低下。内訳の項目別指数では仕入価格と雇用が前月から低下した一方、新規受注は上昇した。
(3):クロス円、高値更新
米10月雇用統計後の長期金利低下を好感して米国株が上げ幅を拡大する中、クロス円で円売りが強まった。ユーロ/円は160.40円前後まで上昇して先月31日に付けた2008年8月以来の高値に接近。ポンド/円もその後、約2カ月ぶりの高値となる185.02円前後まで上昇した。豪ドル/円はクローズ間際に97.32円前後まで上昇して約4カ月半ぶりの高値を付けた。ドル/円はクロス円の上昇が支えとなり下げ渋ったが、ドル全面安の中で戻りは鈍かった。
3日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米雇用統計受けたドル売り一巡後は円売りとの綱引きに
3日のドル/円は149円台前半へと続落。米10月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、失業率が予想外に上昇したことを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了観測が強まった。150円台前半で推移していたドル/円は、米雇用統計の発表後に一時149.18円前後まで下落した。ただ、利上げ終了観測を背景に米国株が続伸する中、ユーロ/円が15年ぶり高値に接近するなどクロス円では円安が進行した。米労働市場の軟化が確認されたことでドル買いには慎重にならざるを得ないが、相対的に低金利の円が売られやすい地合いに変化はなさそうだ。
本日のドル/円はドル売りと円売りの綱引きで方向感の出にくい展開が見込まれる。先月30日安値の148.80円付近は下値支持と見る一方、20日移動平均線が通る149.85円前後は上値抵抗になりそうだ。
注目の経済指標
特になし
注目のイベント:FRB理事講演
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経済指標・イベントの結果について
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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