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2014年11月22日、長野県北部で最大震度6弱を記録した。この地震による県内の負傷者は41人で、うち7人が白馬村や小谷村などで住宅が倒壊したため重傷だった。住宅倒壊や土砂崩れが相次いだが、死者はいなかった。また、太田昭宏国土交通相は25日の閣議後記者会見で、今回の地震で住宅の全半壊が相次いでいることを受け、「長野県や市町村の要望があれば、被災者向け公営住宅の速やかな建設に協力したい」と述べ、住宅確保に全力を挙げる意向を示した。

今回の長野県北部での地震は、奇跡的に死者はいなかったが、2011年3月11日の東日本大震災では、15,844人もの死者と約40万戸の建築物が全半壊し、世界銀行が『人類史上最悪の経済損失』と報告した。しかし、それから3年、日本全国で自然災害が収まる気配はない。大雨による土砂崩れは、広島県、神奈川県で甚大な被害をもたらし、京都では豪雨による洪水被害が頻発。そして今年9月の木曽御岳山の噴火は、予知すら困難な火山の本質をまざまざと見せつけていた。

さて、災害の度に気になるのが、保険を巡るニュースだ。東日本大震災の3~4日後に起きた火災で自宅を焼失した不運な事故。住民は当然支払われるはずの火災保険金を受取れず、訴訟となったが結果は敗訴。これは10月14日に宮城県気仙沼市の出来事だが、理由は『地震免責条項』だという。もし、地震直後の出火ならば、下りたはずの保険金だが、72時間経てば関連性は薄い、という判断は住民には無念というしかないだろう。


今回は特例、と保険会社は認めるが

ところが、日本損害保険協会によると同じ東日本大震災では、地震保険の支払い総額は1兆2,300億円にも上ると発表した(2012年5月31日現在)。国内損保と外資損保合計の保険額の支払いは非常に迅速で、早いところは被害査定人が実測してから1週間で入金があったという。

また、御岳山の噴火の場合は特に生保各社からアナウンスが発表された。それは「今回の噴火での災害死亡保険金、入院保険金を支払う」というものだ。わざわざ誇張しているところから、お察しの通り、これはあくまでも『イレギュラー』というのが、生保各社の言い分なのである。

ここで、保険約款をよく確かめてみたい。実は生保も損保も自然災害には『非適用』な条項が数多くある。戦争、紛争、世界的な感染症、そして噴火、地震を起因とする死亡、あるいはケガ。もちろん飲酒運転や殺人犯となって射殺された場合は、違法行為が原因だから、保険金は受取れない。が、自然災害で死亡した場合やケガ入院の際に保険が使えない、となれば、いきなり無収入となる遺族は路頭に迷うしかないだろう。