冬だからと極端に低粘度のオイルは危険!バイクのエンジンオイルの選び方
(画像=「Moto megane」より引用)

夏は外気温が高いこともあり、バイクを走らせたらエンジンから発せられる熱から「バイクのエンジンはさぞかし過酷な環境で頑張っているんだなぁ。オイル交換していたわってやらないとな」と思ったりするもの。

そもそも、近年のバイクは排ガス対策や省燃費性が求められることもあり、昔のバイクに比べて薄い混合気の設定になっている。燃費が良く、排気ガス中の有害物質の排出が少なくなる反面、エンジンへの熱負荷は高まるのだ。

だからこそしっかりとしたエンジンオイルを選ぶ必要がある。それでは、外気温の低い冬なら安心なのか?といえば、そんなことはない。冬もまた違った理由からエンジンオイルは過酷な環境に立たされている

ちょい乗りの繰り返しがエンジンオイルの劣化を早める!

冬だからと極端に低粘度のオイルは危険!バイクのエンジンオイルの選び方
(画像=「Moto megane」より引用)

バイクの劣化具合は単純に距離だけではかれるわけではない。
高速道路のように一定のエンジン回転数で淡々と走る場合と、街中でエンジンも温まらないような短距離での走行を繰り返すような状況だと、後者のほうがエンジンには厳しい状況……。それが冬ともなればなおさらだ。

エンジンオイルの乳化というのを耳にしたことはないだろうか。
これはエンジンオイルに水分が混入して、白く変色しオイル粘度が上がり、最悪の場合はマヨネーズのような状態になってしまうことをさす。

この原因は、冬場の寒い時期にちょい乗りを繰り返したことで、混合気としてエンジン内に入ってきた空気内の水分が蒸発せず水分がオイル内に溜まってしまうから。

距離を走らないし、熱もそんなにオイルに入らないから大丈夫だろうとたかをくくっていると、エンジンを痛めつけてしまうことになりかねないのだ。

冬は粘度が低いエンジンオイルがいいの?

エンジンオイルの粘度の話をする前に、エンジンオイルの粘度表記の見方をチェックしよう。

冬だからと極端に低粘度のオイルは危険!バイクのエンジンオイルの選び方
(画像=「Moto megane」より引用)

10W60
10 → 低温時の粘度(低温時の始動性の目安)
W → WINTERの略
60 → 高温時の粘度(高温時の油膜保持性の目安)

手前の数字は、低温時の温度で数値が小さいほど粘度が低くなり、後半の数字は高温時の粘度で数値が大きなほど粘度は高くなる。
自動車用のエンジンオイルだと、始動性と省燃費を求めた結果「0W」という低粘度のオイルも存在する。ただし、これは高回転までエンジンを回すことがない自動車だから成り立つわけで、高回転までエンジンを回すバイクには合わない。むしろオイルの油膜が弱まりエンジンの耐久性を落としてしまったり、振動が出たりとバイクには弊害のほうが大きい。