大企業の出資スタンスに変化も
ー政府も「スタートアップ育成5か年計画」でオープンイノベーションの重要性を謳っていますが意識の高まりは感じられますか?
小澤:これからだと思います。私たちは国の機関が集中する永田町(東京千代田区)に本社を構えておりますので、国と一緒に大企業とスタートアップのオープンイノベーションを推進していきたいと思っています。
渡邊:現場感としては、企業の投資への意識は確実に変化していると思います。かつては51%以上のマジョリティをとりたいという考えが強くて、大企業はマイノリティ出資に消極的でした。それが今では、いい会社、いい技術を持った会社には投資していこうという流れが明らかにありますね。
小澤:複数の会社でノウハウを出して研究を進め、今あるものを外部と共同で取り組んで進化させたいという考えが強くなっています。そして、そもそもやりたいけれども、自社ではできないといったケースもありますね。
ー老舗の企業でスタートアップの力を借りようとする企業も多そうです。
渡邊:そうした考えを持つ企業も多いです。柔軟なスタートアップの発想や仕事の進め方などは大きな刺激になります。旧来のビジネスモデルから脱却を図ろうとした際、スタートアップのフレッシュな考えや取り組みを必要とする会社も結構ありますよ。
ー10月で創業から5年目に突入。目標は?
小澤:いまはCVCの運営を支援するという形で、大企業とスタートアップのオープンイノベーションを支援しておりますが、やり方に拘りはありません。スタートアップの起業家として持つ課題感や、自分たちがSBIホールディングスとの資本業務提携で体感できた「大企業×スタートアップ=成長加速」の事例を1件でも多く積み上げたいと思っています。そのためにはまず現在の従業員50人弱のところを、今期末には60~70人に増やし、来期には100人体制とする計画です。人材事業も成長させながらですが、オープンイノベーション支援という新しいビジネス領域を切り開いていきたいです。
【小澤壮太氏】
大塚商会にて製造業向けDXコンサルティングを経験
M&AキャピタルパートナーズにてM&Aアドバイザリーに従事
ソーシング・ブラザーズ共同創業
【渡邊祥太郎氏】
大和証券にてリテール営業やIPO支援を経験
M&AキャピタルパートナーズにてM&Aアドバイザリーに従事
ソーシング・ブラザーズ共同創業
聞き手・文:M&A Online編集部