主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年1月26日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼25日(木)の為替相場
(1):「独経済は不況から抜け出せずにいる」
(2):ECB 政策金利を据え置き
(3):米GDP 市場予想を大きく上回る
(4):ECB総裁発言 ハト派的と受け止められる
▼25日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:147円台を中心にもみ合う展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
25日(木)の為替相場
期間:25日(木)午前7時10分~26日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):「独経済は不況から抜け出せずにいる」
独1月IFO企業景況感指数は85.2と市場予想(86.6)に反して前回(86.3)から低下。IFO経済研究所は「ドイツ経済は不況から抜け出せずにいる」との見解を示した。
(2):ECB 政策金利を据え置き
欧州中銀(ECB)は予想通りに主要政策金利を4.50%に据え置いた。声明で「政策金利が必要な限り十分に制約的な水準に設定されることを確実にする」として早期の利下げ転換には距離を置く姿勢を示した。
(3):米GDP 市場予想を大きく上回る
米10-12月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比年率+3.3%と市場予想(+2.0%)を大きく上回った。7-9月期の+4.9%から鈍化したが、好調な個人消費(前期比年率+2.8%)などに支えられて堅調な伸びを示した。一方、同時に発表された米新規失業保険申請件数は21.4万件と市場予想(20.0万件)を上回って増加(前週18.9万件)。米12月耐久財受注も前月比±0.0%(予想+1.5%)と冴えない結果となった。ただ、変動の大きい輸送用機器を除いた耐久財受注は前月比+0.6%と堅調だった(予想+0.2%)。
(4):ECB総裁発言 ハト派的と受け止められる
ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で「ユーロ圏経済は第4四半期に停滞した可能性が高い。入手されるデータは短期的に弱さを示唆し続けている」「経済成長に対するリスクは依然として下方に傾いており、金融政策の効果が予想以上に強くなれば、成長率は低下する可能性がある」などと発言。一方で「利下げを議論するのは時期尚早だというのが理事会でのコンセンサスだ。われわれはデータに依存していることを再確認した」と述べて市場の早期利下げ観測をけん制した。しかし、市場の4月利下げ観測は変わらず。市場はラガルド総裁の発言をややハト派的と受け止めた模様で会見中にユーロ安が進んだ。なお、その後「ECBは次回の理事会で文言を変更する可能性があり、今後の経済指標でインフレ収束が確認されれば、6月にも利下げに踏み切る可能性がある」とする関係者の見解を引用した一部報道が伝わった。
25日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:147円台を中心にもみ合う展開
昨日のドル/円は前日比0.1%の小幅高。米10-12月国内総生産(GDP)・速報値が予想を上回ると147.95円前後まで上昇したが、米新規失業保険申請件数の増加などが重しとなり147.08円前後まで急落した。ただ、その後はユーロに対するドル高などを背景に再び147円台後半へと持ち直した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えてドル/円は方向感の定まらない展開が続いている。
本日はFOMCが物価指標として重視する12月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)に注目が集まるが、FOMC待ちのドル/円にとって決め手にはなりにくいだろう。本日も147円台を中心にもみ合う展開となりそうだ。
注目の経済指標:米PCEデフレーター
注目のイベント
特になし
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経済指標カレンダー
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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