「丸亀製麺」のトリドールとクックパッドに注目!

エクイティファイナンスの機会をうまく活用している企業が、トリドール <3397> とクックパッド <2193> だ。

11月11日、讃岐うどん店「丸亀製麺」などを展開するトリドールは、公募増資などで最大44億円(手取り概算)を調達すると発表した。調達資金は丸亀製麺や、焼鳥店「とりどーる」などの新規出店や店舗改装に充てる。あわせて、粟田貴也社長所有の78万株を含む、創業者一族の株式235万株も売り出すと発表した。これは発行済み株式数(同)の6%に当たる。創業一族の保有比率(議決権ベース)は、6割から5割未満に低下する見通しとなる。

本来は、増資による希薄化で1株当たり利益が減るところだが、創業家の株売却を受け、特定同族会社にかかる留保金課税の対象から外れて法人税負担が減る見込みとなったため、当期純利益が増え、逆に1株当たり利益が増えるという珍しい事例になっている。

また、11月12日、クックパッドは、海外での公募増資で最大105億円を調達すると発表した。公募増資による資金調達は2009年に上場してから初めてとなる。欧米を中心とした海外でのM&A(合併・買収)など、成長投資に充てるとのことだ。

同社の株価は海外での公募増資発表後、希薄化に嫌気をさし一時的に下落したが、これを機に同社が海外の投資家に注目されれば、業績や株価も次の上昇ステージが見えてくるのではないかと期待できる。

増資のリスクやデメリットを逆手にとり、法人税負担の減少や海外投資家へのアピールの機会へ利用したトリドールとクックパッド。今後の動向に是非注目していきたい。

(ZUU online)

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