主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年2月29日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(水)の為替相場
(1):NZ中銀は政策金利を据え置き、豪ドル連れ安
(2):日銀理事、物価目標実現「まだ十分な確度はない」
(3):米GDP、23年第4四半期は小幅に下方修正
(4):NY連銀総裁、物価目標達成にまだ距離がある
▼28日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米PCEデフレーターは急変のきっかけとなるか/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(水)の為替相場
期間:28日(水)午前7時10分~29日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):NZ中銀は政策金利を据え置き、豪ドル連れ安
豪1月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と市場予想(+3.6%)を下回った。伸び率は前月から横ばいだった。CPIを受けた豪ドル売りは一時的だったが、その後NZ中銀(RBNZ)が政策金利を据え置いたことでNZドルが下落すると豪ドルもつれ安した。
(2):日銀理事、物価目標実現「まだ十分な確度はない」
日銀の清水理事は、2%物価目標の安定的・持続的な達成が見通せる状況に至れば大規模金融緩和を修正する段階に入るが「現時点ではまだそうした見通しが実現するような十分な確度は持っていない」と発言。見直しを検討する際には「賃金の動向もきちんと確認してまいりたい」とも述べた。なお、3月18-19日の次回日銀金融政策決定会合前の3月15日には春闘の第1回回答集計が発表される。
(3):米GDP、23年第4四半期は小幅に下方修正
米10-12月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率+3.2%と速報値(+3.3%)から若干下方修正された。一方で10-12月期個人消費は前期比年率+3.0%に上方修正された(速報値+2.8%)。
(4):NY連銀総裁、物価目標達成にまだ距離がある
NY連銀のウィリアムズ総裁は「持続的な2%インフレ目標に向けては、まだ長い道のりがある」と発言。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)について、2024年は前年比2.0~2.25%に鈍化し、2025年に目標の2.0%になるとの見通しを示した。
28日(水)の株・債券・商品市場
<最新の株価指数CFDレートはこちら>
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
<外為注文情報はこちら>
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米PCEデフレーターは急変のきっかけとなるか
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%の小幅高。海外市場を中心にドル買いがやや優勢となったが、今月13日に付けた今年の高値150.88円前後を目前に伸び悩んだ。151円付近ではオプション絡みの防戦売りが出やすいとの観測も相まって、この水準が上値抵抗として意識されているようだ。
本日も150円台後半で上値の重い展開が見込まれるが、注目の米1月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)がNY市場序盤に発表されることから、発表までは下値も限られそうだ。なお、米1月PCEデフレーターの市場予想は前年比+2.4%で、前月の+2.6%から鈍化すると見られている。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも前年比+2.8%(前月+2.9%)に鈍化すると予想されている。市場予想以上に鈍化するようならドル売りが強まると見られ、ドル/円は節目の150.00円を割り込む可能性もあろう。一方、PCEデフレーターが消費者物価指数(CPI)に続いて高止まりするようだとドル買いに傾く公算が大きく、3カ月半ぶりの151円台に上伸することも考えられる。いずれにしても、このところ150円台でのもみ合いが続いているだけに、PCEデフレーターが急変動のきっかけとなり得る点には留意したい。
注目の経済指標:米PCEデフレーター
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。