主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年3月15日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼14日(木)の為替相場
(1):米インフレ高止まり示唆
(2):日銀観測報道も反応は一時的
▼14日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:147円台では引き続き底堅く推移/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
14日(木)の為替相場
期間:14日(木)午前6時10分~15日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米インフレ高止まり示唆
米2月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.6%、前年比+1.6%とともに市場予想(+0.3%、+1.2%)以上の伸びとなった。また食品とエネルギーを除くコア指数も前月比+0.3%、前年比+2.0%とともに市場予想(+0.2%、+1.9%)を上回った。同時に発表された前週分の新規失業保険申請件数は20.9万件と市場予想(21.8万件)を下回った。
(2):日銀観測報道も反応は一時的
時事通信が「日銀は来週の金融政策決定会合でマイナス金利を解除する方向で調整に入った」と報じた。これを受けてドル/円が147.44円前後まで下落するなど円高に振れる場面も見られたが、市場はすでに3月のマイナス金利解除の可能性をほぼ織り込んでいることから反応は一時的だった。
14日(木)の株・債券・商品市場
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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:147円台では引き続き底堅く推移
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。日銀が来週の金融政策決定会合でマイナス金利を解除する方向で調整に入ったとする観測報道で147.44円前後まで下落したが、米2月生産者物価指数(PPI)の上振れを受けて米長期金利が上昇する中、148.36円前後まで切り返した。
市場はかなりの割合で日銀のマイナス金利解除を織り込んだと見られる。また、解除が大幅な円高につながる可能性は低いと見ていることもうかがえる。観測報道によれば、日銀は連合が本日発表する春闘の第1回回答集計を確認して最終的な判断を下すとのことだが、平均賃上げ率が昨年実績の3.8%を上回るのはほぼ確実だろう。この点も市場は織り込み済みと見られ、連合の発表に対する円相場の反応は限定的と考えられる。本日のドル/円は148.00円を挟んだ値動きを見込んでおり、147円台では引き続き底堅く推移すると見ている。
注目の経済指標:ミシガン大消費者信頼感指数
注目のイベント:春闘第1回回答集計結果
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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