この記事は2024年4月23日(火)に「羊飼いのFXブログ」公開された「志摩力男氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=cassis/stock.adobe.com)

2024年4月23日(火)の午後14時すぎに現役トレーダーの志摩力男さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006〜2008年ドイツ証券など、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任。そのあと、香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立後は世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現役トレーダーとして活躍中。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円は155円バリアを手前に動かなくなってきている。米ドル/円に関してはバリアの攻防と介入の有無だけが焦点だ。

介入があり瞬間的に150円を割ったとしても、介入が終わればすぐに戻ってきそうだ。その後はもしかしたらさらなる円安になる可能性が高いように見えてきている。

介入期待のショートポジションも多く、一度そうしたポジションが利食えるまで円高になってもらいたいところだが、だんだん可能性は低くなってきている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の日銀政策決定会合でサプライズの利上げがあれば面白いが、植田日銀総裁が最近タカ派化してきているため、その可能性は低いものの少しはあると思う。とはいえ、3月に大きな政策変更をしたばかりで、すぐに利上げというのは理解が得られないだろう。

おそらく政策変更は無しで会見ではタカ派的なことをいう、というパターンになると思うが、それで円安を止められるのか心配だ。日本は2.00%のインフレ目標を達成する。そうなると、政策金利が0%台ででインフレ率は2.00%を超えているので、実質金利は大きくマイナスの金利になる。ということは通貨安にならざるを得ない。

本来であればインフレ率に合わせて政策金利も上昇させ、JGBの金利も上がらないといけないが、それが出来ないのでどうしても円安になってしまう。ということで現状としては、大規模な金融緩和政策後の難しい局面に入ってきているようだ。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。