この記事は2024年5月30日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2024年5月30日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円は今月1日以来の157円台後半で推移。昨日29日(水)のNY市場ではFRBの利下げが後ずれするとの観測が根強い中、157.70円台まで上昇した。日本の長期金利(10年物)は12年半ぶりの水準に上昇したものの、米10年債利回りはそれ以上の幅で上昇しており、日米長期金利差は足元でむしろ拡大傾向にある。
なお、今月5月1日は政府・日銀が157.50円付近で円買い介入を発動したと見られており、この水準を昨日29日(水)の海外市場で上抜けた格好だ。足元のドル高・円安は1日数十銭程度の「緩やかなペース」で進んでいることから、海外勢の間では介入再発動への警戒感はそれほど高まっていないようだ。
本日30日(木)も本邦長期金利は日銀の正常化観測も相まって上昇が予想されるが、円相場への影響は限定的だろう。引き続き、海外市場を中心に米長期金利の動向が注目される。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米長期金利の上昇が続けば、米ドル/円は34年ぶり高値を付けた4月29日以来となる158円台に乗せる機運が高まりそうだ。
もっとも、市場はFRBの利下げを巡り明日31日(金)に発表される米PCEデフレーターに関心を寄せている。このため本日30日(木)については、為替市場も米国債市場もやや様子見ムードに傾きやすいと考えられる。
▽米ドル/円 日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。