本記事は、長谷川伸一氏の著書『お金の動きに強くなる 投資の入口』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
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日常の情報から「連想ゲーム」を行う
株式投資は、ある意味「連想ゲーム」のようなところがあります。
世の中の産業はすべてつながっているので、ちょっとした変化がドミノ倒しのように次々と連鎖していきます。
「アメリカがくしゃみをしたら、日本が風邪をひく」といわれるように、世界経済も1つの出来事で次々と影響し合っていくのです。
A社の商品が爆発的に売れているというニュースが流れると、そのA社に部品を提供しているB社の株価も上昇します。そのように連鎖していきます。
つまり、お金を増やす人は日常のちょっとした情報に対して敏感に反応し、その先のことを連想します。逆にお金を減らす人は、日常のちょっとした情報に鈍感になっています。
日常の中に株式投資のヒントが隠れていたりするので、アンテナを立てて敏感になることがとても大切です。
たとえば、スマホゲームのCMが突然増えてきたとします。普段なら何気なくテレビを見ていたかもしれませんが、ふとゲーム会社の情報を検索してみるとガンホー・オンライン・エンターテインメントやmixiなどの株価が大きく上昇していたりします。街のコンビニで機能性食品のヨーグルトがやたらと品揃えが増えていたりします。業界の情報を集めてみると、明治のR1というヨーグルトがダントツで売れていることが見えてきます。明治ホールディングスの株価を見てみると急上昇しているのです。
異なる世代の人たちの声にも耳を傾けてみると新しい発見があります。子どもたちが熱狂するポケモンが家の外で楽しめるアプリが発表されたとき、世界中で話題になりました。すると、たちまち任天堂の株が注目されるようになりました。
通販で洋服を買っている女性たちに人気のサイトはどこなのか、高齢者が買い物に行くお店はどこなのか、日常の生活の中から得た情報に大きなチャンスが潜んでいます。
なぜならば、新聞やインターネットに流れてくるニュースはすでに多くの人が知っている情報です。そうなると多くの人と同じ行動をすることになり、一歩、遅れを取ってしまいます。
しかし、日常から得た情報は誰もが知っていますが、そこから連想して見つけた銘柄は、まだ誰も気づいていない可能性があります。
そこをいち早く連想して行動に移せるのがお金を増やす人なのです。
投資の方法論にしがみつかない
株式投資の基本は安いときに買って高いときに売るという方法です。多くの個人投資家はこれを繰り返します。
もちろん、これが基本ですから、それでいいのですが、いつもそのやり方で儲かるとは限りません。
上昇トレンドが長く続いた場合、従来のやり方に固執した人は、下がるのを待つしかありません。何カ月も指をくわえて待っているのです。
下降トレンドが長く続いた場合も同じです。いつまでも下落していきます。いつ底を打つかわかりません。そんなときも、ずっと指をくわえて待つのでしょうか?
たとえば、1日で1,000円下がり、すぐに1,000円上がることがあります。
多くの人は1,000円下がった翌日に1,000円上がったのを見ると怖くて買えません。これならまた下がるに決まっていると思うのです。
一方で、「これは流れが変わった」と新しい局面に気づく人もいます。「これはいよいよ下げ止まり上昇相場がはじまったサインかもしれない」と変化をとらえて儲ける人です。
株式投資で儲けるか損をするかの分かれ道がそこにあると思います。インドの詩人タゴールに「海を見ているだけでは、海は渡れない」という言葉があります。ただ指をくわえて眺めているだけでは、儲けることも成長することもできないのです。
お金を増やす人は、今までやったことのない方法に挑戦しています。やったことのないことに果敢に挑戦するから、できるようになるわけです。もちろん、失敗することもあります。しかし、失敗するから学びがあるのです。勇気を持って挑戦するから成長するのです。
福島県福島市出身。三菱UFJ証券ホールディングス(入社時、太平洋証券)で証券営業を行った後、投資アドバイザー業務を経て、2012年11月アセットマネジメントあさくらに入社し、2015年11月より現職。
「顧客が安心して資産形成するための保険と株式投資を組み合わせたハイブリッド資産運用」を得意とし、特に株式投資では、「企業の中核技術やサービスを的確に調べつくしながら、投資候補先の事業の未来を予測する手法」が、投機的投資に寄らない思考を教えてくれると、顧客からも厚い信頼を得ている。
夕刊フジの『株—1グランプリ』で、上位へのランクインを数多く果たす他、3度の月間チャンピオンに輝く。『ラジオNIKKEI』『BIG tomorrow』『月刊ネットマネー』『週刊現代』等、さまざまな雑誌やメディアなどにも登場し、さらにはチャンネル登録14万人のASK1「朝倉慶の株式チャンネル」でも週2回、市況の解説を行っている。※画像をクリックするとAmazonに飛びます。