本記事は、長谷川伸一氏の著書『お金の動きに強くなる 投資の入口』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ルール
(画像=Uladzislau / stock.adobe.com)

株には「ルール」がある

「やっぱり、株は怖い」
「投資はギャンブルだ」

という人の気持ちは、私にも理解できます。

なぜなら「貯金」こそ、最も安全な資産形成方法だと教えられてきた人がほとんどだからです。

素直な人は、教えられたことをそのまま言葉通りに信じますし、子どもの頃からつくられてきた価値観は、そんなに簡単に変えられるものではありません。

そして、投資で大きな損失を出している人も大勢見かけます。

購入した株が急に下がってしまった場合、大きな損失をこうむってしまいます。

多くの人は、ここで底なし沼に引きずり込まれるような恐怖と不安に駆り立てられ、株が暴落した時期に慌てて換金し損失確定してしまうのです。

つまり、高値で買った株を捨て値で処分します。これを繰り返しているとあなたの資金は底をついてしまうでしょう。

ただ、投資には「正しいルール」が存在します。

「これを守ってさえいれば、大きな損失を出すことは少なくなり、着実にお金を増やしていける」ものです。

大きな損失を出してしまう人は、ほとんどの場合、「魔が差した」「強気になってしまった」といった、ルールを無視した行動をする場合がほとんどです。

ですから、冷静になり、急騰した銘柄に飛びつくことをやめなければなりません

株は当たり前ですが上がり続けることはありません。

毎年、株は何回か急落する場面があります。多くの場合、上昇した反動の調整なので、大きく下落することはありませんが、時々予期せぬニュースが流れたりします。

たとえば2023年に米国の地銀シリコンバレーバンクの破綻が起きました。その噂が流れてから米国株が下落し、日本の株価も同時に急落しました。他にも、コロナ暴落も記憶に新しいと思います。

そういうときは、怖がらずに「買い」のタイミングを見計らった方が良いです。

一流のお金を増やす投資家は、急落を安く買えるチャンスと見て、喜んで買う人もいるくらいです。数年待てば結果的に大きく上昇していることを経験から確信しているからです。

株の世界の格言にこんなものがあります。

「天井3日、底100日」

高値の天井は3日しか続かず、底は100日も続くという意味です。

株式相場は、長い期間をかけて少しずつ上昇していきますが、下がるときは暴落を何度か繰り返して、まるで坂道を転がり落ちるように一気に下落することもあります。

こうした相場の法則を知っていれば怖いことはありません。

だからこそ、投資には学びが必要なのです。

学びもせずに「株は怖い」というのは、相手のことを知りもせずに、「あの人は悪者だ」と批判しているようなものです。

きちんと知って、きちんとつき合えば「いい人だった」ということが人間関係においてもあると思います。

株は、正しく学べばあなたの人生を豊かなものにしてくれるのです。

貯金は「銀行」に投資しているという考え

現在の日本は、マイナス金利が解除されたとはいえ、貯金の利子がゼロに等しい状況はまだ変わりません。

直前まで導入されたマイナス金利は、日本経済を活性化するために適用されたもので、日本銀行と各金融機関との間での金利がマイナスになってしまうということです。私たちが利用する銀行での金利が、すぐにマイナスになることではありません。

ただ、実際に私たちが預けている銀行の金利が極めて低いことは事実で、大手銀行なら普通預金年利0.02%、大口定期の場合であっても0.025%ほどの数字になっています。

これでは、貯金の魅力はまったくないといっても過言ではありません。

現在は年収400万円時代といわれており、1990年代後半から日本人の平均年収は、年々下がり続けているような状態です。最近やっと持ち直してきていますが400万円台前半です。

これでは、普通に生活していても、月々の給与が丸々生活費に消えてしまったり、急なアクシデントや出費で借金をしてしまったりする人も多いと思います。

このような生活を続けていれば、余裕のなさから、日々の漠然とした不安を覚える人も多いはすです。今の状況をどうにか脱出するために、数千円のごく少額からでもいいので、投資をはじめてみてください

まずは、そのお金を証券会社の口座に入れておくだけでもかまいません。株式投資に利用できる資金を毎月積み立てていくことをオススメします。

給与所得以外でも、収入を得る方法はたくさんあります。マンションを購入してその家賃収入を得たり、売買したりする不動産投資、SNSを活用した副業や優秀なチームをつくって会社を立ち上げるような経営者になったりなどさまざまな方法があります。

しかし、どれも大変そうです。会社員を続けながらやるには、かなりのモチベーションが必要だと思います。

一方、株式投資はどうでしょうか?

スマートフォンを操作するだけで、株を売ることも買うこともできます。毎日、何時間もスマートフォンの画面にしがみつく必要はありません。

もちろん、しがみついてもいいですが、デイトレーダーでない限り、そんな必要はないのです。デイトレーダーとは、1日のうちに株を何度も売り買いする人たちのことです。一瞬、一瞬の小さな動きをとらえて売買します。神経を擦り減らしますし、株の取引で生計を立てているような上級者でなければできないことです。

私は、デイトレーダーになることをオススメしません。フルタイムで会社勤務している人にできることではありませんし、リスクが高すぎます。

私がオススメしているのは、リスクが少なく安定した株式投資です。

賃金がなかなか上がらず、変化が予測しづらい時代だからこそ、自分の資産を守りながらも給料以外の収入を得る方法を学ぶことが重要です。

それには株式投資が一番適しているのです。

『お金の動きに強くなる 投資の入口』より引用
長谷川 伸一
ファイナンシャルアドバイザー、(株)アセットマネジメントあさくら 専務取締役。
福島県福島市出身。三菱UFJ証券ホールディングス(入社時、太平洋証券)で証券営業を行った後、投資アドバイザー業務を経て、2012年11月アセットマネジメントあさくらに入社し、2015年11月より現職。
「顧客が安心して資産形成するための保険と株式投資を組み合わせたハイブリッド資産運用」を得意とし、特に株式投資では、「企業の中核技術やサービスを的確に調べつくしながら、投資候補先の事業の未来を予測する手法」が、投機的投資に寄らない思考を教えてくれると、顧客からも厚い信頼を得ている。
夕刊フジの『株—1グランプリ』で、上位へのランクインを数多く果たす他、3度の月間チャンピオンに輝く。『ラジオNIKKEI』『BIG tomorrow』『月刊ネットマネー』『週刊現代』等、さまざまな雑誌やメディアなどにも登場し、さらにはチャンネル登録14万人のASK1「朝倉慶の株式チャンネル」でも週2回、市況の解説を行っている。

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『お金の動きに強くなる 投資の入口』
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