本記事は、龍夏氏の著書『「器用貧乏」さんから脱出する本』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
未来の自分が今を支えてくれる
理想を叶えるために必要なのは行動の習慣化ですが、わかっていても新しい習慣をつくるのは難しい、という声をよく耳にします。なぜ、習慣化することは難しいのでしょうか。
それはズバリ、習慣化することで得られる将来のメリットよりも、習慣化するまでの努力によるデメリットのほうが上回っていると感じているからです。メリットがデメリットを上回れば、この問題は解決します。
では、どうすればメリットがデメリットを上回れるのでしょうか。
答えは「理想の状態を描き、見える化する」ことです。
わたしたちは、ともすれば目先の行動に意識が向きがちです。行動すること自体が目的化してしまうと途端にモチベーションが低下して行動が続かなくなる状態に陥ります。これを打開するのに効果的なのが理想の状態を描き、見える化することなのです。
よくある例えで、ひたすらに石をひとつひとつ積み重ねていくのは非常に根気がいるが、城壁を作るために石を積んでいると思えば頑張れる、という話があります。
理想を頭の中だけで想像しているよりも、視覚化(見える化)することで俯瞰でき、客観視することが可能となります。
ここから、見える化するための方法をいくつか紹介していきます。順に説明していきますが、すべて取り組んでも、気に入ったものを選んで実践しても構いません。
夢を見える化する「コラージュシート」
必要なもの… 写真など、台紙、のり
理想の状態を描き、見える化する具体的な方法、「夢を見える化するコラージュシート」の作り方を説明します。
コラージュシートの作り方
①材料を用意する
あなたの夢や理想の状態を表している写真やイラスト、雑誌やカタログの切り抜きなど、頭の中にあるイメージが具現化されていると感じたものをストックしておきましょう。
②貼り付ける台紙を用意する
ポスターくらいの大きさの紙や模造紙、コルクボードなどがオススメです。
③台紙に集めた材料を配置する
台紙に写真や切り抜きを配置していきます。特にルールはありません。自分の好みの配置にしていきましょう。いきなり貼り付けず、バランスを見ながら配置します。
④配置を確認し、バランスが整ったら、のり付けもしくはピンでとめる
⑤写真に撮る
完成したら写真を撮りましょう。スマホの待受画面にすると、いつでも目に触れることができるので効果がアップします。
⑥いつも目が向く場所に掲示する
台紙は家の中でよく目が向く場所に掲示します。例えば家事をするときにふと目がいくキッチンの壁や、歯磨きをするときにいつも見ている洗面台、寝室などもいいでしょう。玄関ドアの内側に掲示すると、朝出かける際に「この未来を手にするために今日も頑張るぞ」と意欲高く出発できると好評です。
未来を見える化する「マンダラート」
必要なもの…紙、ペン
未来を見える化する方法として「マンダラート」を作成する方法があります。
マンダラートとは、9つのマス目に必要な項目を埋めていくことで、アイデアを整理し、思考を深めていくことができるツールです。メジャーリーガーの大谷翔平選手が、高校生時代にプロ野球選手になるための方法をマンダラートで作成していたことから一躍有名となりました(下図)。
マンダラートの作り方
わたしが提唱しているマンダラート作成方法は、「ライフチャート」をもとに作成するというものです。
マンダラート
マンダラートの中心には、すべてが叶った理想の未来を示すキーフレーズ、または自分軸ワードを入れましょう。
そして、マンダラートの中央の8マスに、ライフチャートの8項目を配置し、各項目の「10点満点の状態」を書き入れます。
人生を構成する8つの側面
①自己成長/学び
②楽しみ/娯楽/趣味
③生活環境
④健康・美容
⑤仕事/他者への貢献
⑥お金・資産・財産
⑦大切な人
⑧奉仕活動
次に、各項目の「10点満点の状態」を満たすために必要なものは何なのか?を考え、8個ずつアイデアを出して、記載していきましょう。
完成すると、8×8=64のアイデアリストを手にすることができます。この64のアイデアを実践すれば、あなたが望む夢や理想の未来を実現することができます。何をすればいいのかが一目瞭然になるので、アイデアのすべてを一元管理し見える化することで安心できたり、やる気が増す人にはオススメの方法です。
大手自動車メーカーで28年間勤務し、お茶汲みやコピー取りの冴えないOL時代を経て、社内外のカイゼン活動、マインド改革を2万6,000時間以上実施し、メンタルとビジネスの結びつきの重要性を実感。 この経験を生かして2011年よりメンタルコーチの活動を開始。5~83歳までの器用貧乏に悩む学生、主婦、社会人、治療家、経営者に向けてカウンセリング領域までをも含んだ1万1,000件以上の悩みの解決に携わる。 2019年よりライフコーチング・運命学・起業支援を組み合わせた、器用貧乏さんにマンツーマンで関わる講座「アシタノコンパス®」を主宰。 これまでに8,100時間以上開講中。本書が初の著書となる。