株式会社スタイル・エッジ
(画像=株式会社スタイル・エッジ)
島田 雄左(しまだ ゆうすけ)――代表取締役
1988年、福岡県生まれ。実業家、司法書士、格闘家。24歳で司法書士事務所を開業。国内トップ規模の士業グループに成長させる。その後、自身の経営経験を元に、スタイル・エッジ代表取締役に就任。共創型ビジネスモデルとして士業や医業のコンサルティングを行っている。YouTubeやXで法律、仕事、マネーリテラシーなどさまざまな情報を配信中。著書に『士業経営』『人生で損しないお金の授業』(共に税務経理協会)がある。
士業・医業等のプロフェッショナルに向けた総合支援事業を展開しています。専門性の高い士業、医業の方に対し、主に「インフラ事業」「マーケティング事業」「システム事業」「コンサルティング事業」といった4つのサービスを中心にワンストップで総合的な支援を行っています。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 自社事業の強みについて
  3. ぶつかった壁やその乗り越え方
  4. 今後の経営・事業の展望
  5. ZUU onlineユーザーへ一言

これまでの事業変遷について

ーー最初にこれまでの事業の変遷についてお伺いします。創業者の方から会社を引き継いだということですが、その経緯や、島田社長ご自身のキャリアの中でどのような選択をされてきたのか、詳しくお聞かせください。

株式会社スタイル・エッジ 代表取締役・島田雄左氏(以下、社名・氏名略) 自分自身の経営者としてのスタートは、2012年に司法書士事務所を立ち上げた時です。大学時代にいろいろなことを経験し、人の役に立つ仕事をしたいと思ったのがきっかけでした。当時、ロースクールが始まっていたものの、大学院に進学する経済的余裕もなかったので、司法書士を目指すことにしました。資格を取得すれば独立でき、若いうちから十分な収入を得られる点にも魅力を感じました。

大学生の頃から準備を始め、3年ほどかけて司法書士の資格を取得しました。しかし、資格を取っても大手の事務所には採用してもらえず、それなら自分でやろうと決意しました。落とされた事務所を見返してやる、という反骨精神で起業したのが最初です。

起業してからは集客や営業、資金繰りなど、多くの課題に直面しました。司法書士としてお客様に集中しなければならない一方で、どうやって集客するのか、銀行融資はどうやって受けるのかなど、多くのことを同時に考えなければなりませんでした。事務所が拡大していく中で、いろいろな試行錯誤を重ね、軌道に乗り始めたのが開業して3〜4年経った頃です。その頃から、同業他社からも成長していると評価していただき、相談を受けるようになりました。

ーー なるほど、そこからの発展が気になりますね。同業他社から成長を評価される一方で、次のステップはどのように進まれたのですか?

島田 同業者との交流を通じて、皆が同じような悩みを抱えていることに気づきました。それで、彼らにアドバイスをすることで業界全体が盛り上がるのではないか、と考えるようになりました。そして、その時に弊社の創業者と出会い、意気投合しました。スタイル・エッジは士業向けのマーケティングや人材、システムのサポートを提供していて、自分が悩んできた部分にまさにフィットしていたんです。

ーースタイル・エッジに入社されたのはどのような経緯ですか?

島田 経営者同士で話をする中で、スタイル・エッジの創業者が「時代の変化が早すぎて、次世代にバトンタッチしたい」と仰っていました。そして、ある日、創業者から「スタイル・エッジの代表をやってみないか?」と連絡を受け、2019年にスタイル・エッジに入社しました。

ーースタイル・エッジに入社されてから、事業面ではどのような変化がありましたか?

島田 スタイル・エッジは元々、クライアントが弁護士や司法書士をはじめとした士業のプロフェッショナル になります。そして、当初は主にマーケティング支援を行っていました。しかし、広告の量や質に関する不満がクライアントから出てくるようになり、それを改善するために、どうすれば事業をより良くできるかを一緒に考え始めました。その結果、コンサルティングや人材派遣、システム開発などの新しい領域に進出しました。

具体例としては、クライアントの広告効果を分析できるCRMを開発し、集客や営業、業務効率の向上を支援しました。これにより、クライアントの業績が向上し、我々の売上も伸びるというWin-Winの関係を築くことができました。この「共創型ビジネスモデル」は、私が入社してからも強化してきた部分です。

株式会社スタイル・エッジ
(画像=株式会社スタイル・エッジ)

ーーその共創型ビジネスモデルをさらに広げるために、どのような取り組みをされましたか?

島田 弁護士だけでなく、医師にも同じようなマーケティングやシステムの仕組みを展開することに取り組みました。これにより、クライアントの層を広げ、さらなる成長を目指しています。

自社事業の強みについて

ーー次に、自社事業の強みについてお伺いします。今お話に出ていましたが、特に「共創」というキーワードが印象的でした。実際にそれを実行するのは非常に難しいと思うのですが、その実現に至った秘訣があれば教えてください。

島田 ありがとうございます。いくつか要因があると思いますが、創業時から大事にされている3つのポイントが強みになっています。一つ目は「マーケット選択」、二つ目は「主体性」、そして三つ目が「機動力」です。

ーーそれぞれ詳しくお聞かせください。

島田 まず「マーケット選択」ですが、どの商材や業界で戦うかは非常に重要です。私たちは、士業や医業というニッチな市場を選び、競合が少ない中で戦ってきました。これがまず、私たちの大きな強みです。

次に「主体性」です。弊社は17年間で既存クライアントの継続率が90%を超えています。これは、クライアントの目線に立って常に改善を追求してきた当事者意識があったからです。毎日のようにミーティングを行い、昨日の成果を振り返り、翌日には改善点をすぐに反映させる。この主体的な姿勢が、クライアントとの信頼関係を築き、長期的な成果につながっています。

ーー継続的に改善を追求されているのですね。

島田 そうです。そして三つ目の「機動力」ですが、毎日の変化に対応し、クライアントと一緒に成果を追い求めてきたことが大きな要因です。例えば、毎朝ミーティングを開き、前日のオペレーションを振り返って、次のアクションを提案します。これを繰り返すことで、最適な戦略を早期に見つけ、成功へと導いてきました。

ーー仕組み化するまでの苦労もあったと思いますが、その過程では社長ご自身もかなりコミットされてきたのでしょうか?

島田 はい。私自身、良いと思ったものを提案し続けてきました。そのことによって、成功を積み重ねることができ、クライアントさんとの信頼関係を築いてこれましたし、「スタイル・エッジさんが言うなら、試してみようか」と前向きに応じてくれるようになりました。

ぶつかった壁やその乗り越え方

ーー今まで会社を経営される中で、特に困難だと感じた壁や、それをどう乗り越えたのかについてお聞かせいただけますか?

島田 一番困難だったのは、「これなら絶対に成功する」と思ったことが、実際にはうまくいかない時ですね。事業計画通りにいかないことが、正直9割以上です。経営をされている方ならご存知だと思いますが、結果が出ない時ほど辛いものはありません。批判もされますし、最悪の場合、会社が潰れてしまう可能性もある。それでも粘り強く続けることが必要で、それには胆力(たんりょく)が求められます。

ーー その粘り強さが鍵になるということですね。ですが、それだけでは難しいのでは?

島田 単に粘り強さだけでなく、どこで見切りをつけるかも大事です。マーケット選びも非常に重要で、デッドラインを決めることも必要です。ダメだと分かったら、早く次に切り替える判断を下し、それを続けるのが経営者としての重要なスキルだと思います。他にも、資金繰りが厳しくなった時は、資金の確保や人材の採用に悩まされました。

ーー資金繰りはどの企業でも大きな課題ですよね。

島田 業績は良くても資金がないというのは、成長過程の企業ではよくあることで、他の事業に手を出してみた方がいいのではないか、という誘惑もありました。ですが、最終的には「やらない勇気」を持つことが大切だと気づきました。あれもこれもやりたくなるものですが、原点回帰で、自分たちが決めたマーケット、つまり士業と医業に集中することが大切だということです。

ーーやらない勇気、ですね。

島田 そうです。そして、それを支えたのはやはり、主体性と機動力という考え方です。最後に運も大事だと思います。熱意を持って頑張っていると、自然と周りが味方してくれることが多いと感じます。経営者として12年やってきましたが、まだ若い方ですし、周りの大人たちが手を差し伸べてくれる場面も多くありました。優秀なスタッフに恵まれ、彼らが一生懸命取り組んでくれたおかげで、今があると思っています。

ーー最後は運も重要ということですね。

島田 ただ、その運を引き寄せるためには熱意が必要だと感じます。熱意を持って取り組むことで、周囲の人たちが協力してくれるようになります。それが結果的に、運を引き寄せることにつながるんだと思います。

今後の経営・事業の展望

ーーありがとうございます。ここまでの話で、過去についてお伺いしましたが、今後の事業展開や経営の展望についてもお聞きしたいと思います。

島田 今後の展望として、我々の事業ドメインは「プロフェッショナルの総合支援」という点にあります。これまでプロフェッショナルを士業や医業にフォーカスして事業を展開してきましたが、「プロフェッショナル」という定義を少し広げていきたいと考えています。例えば、パーソナルジムのトレーナーや塾の先生も、それぞれ教えるプロフェッショナルです。しかし、彼らは経営に関しては不慣れな部分が多い。こうしたプロフェッショナルたちを支援する横展開を目指しています。

ーーなるほど、プロフェッショナル支援の横展開ですね。他にはどのような事業を展開していく予定ですか?

島田 来年以降は、金融や不動産分野にも進出していく予定です。例えば、弊社のクライアントである医師は、医療ローンや自社ローンを利用することが多いので、我々がローン会社を立ち上げ、クライアントに直接提供するインフラを構築することを考えています。また、不動産では、弁護士が扱う不動産についての借金問題に関連した支援など、ニッチなマーケットに特化した事業展開を計画しています。

ーーそういった事業拡大に向けて、IPOなど具体的な準備は進んでいるのでしょうか?

島田 現在はその構想を具体化して実行に移す段階に近づいています。IPOも視野に入れており、従業員にも共有しています。IPOの目的は、与信力の向上です。特に我々のような弁護士や医師をクライアントに抱える企業にとって、コンプライアンスは非常に重要視されますので上場によって信頼性が高まり、事業展開の幅が広がると考えています。

ーーIPOを目指すことで、具体的にどのような展開を期待されていますか?

島田 IPO によって資金調達の幅が広がり、システム開発やエンジニアの採用に積極的に投資できるようになります。特にリーガルテックの領域に注力しており、CRMシステムのさらなる開発を進めて、業務効率化を図りたいと考えています。また、M&Aにも取り組み、グループの再編や新たなシナジーを生み出すことを目指しています。

ーー 資金調達の先には、システム開発やM&Aの活用が見据えられているんですね。非常に興味深いです。銀行との付き合い方や資金繰りについて、何か工夫されていることはありますか?

島田 財務諸表を理解し、自社の事業を自分の言葉で語ることが重要だと思います。財務諸表の読み方や活用法は経営者にとって必須のスキルだと思っています。自分で銀行に説明し、信頼を得ることが、資金調達の成功に繋がると感じています。

ZUU onlineユーザーへ一言

ーーでは、最後の質問になります。ZUU onlineのユーザー、特に経営者や富裕層、投資家の方々に向けて、何かメッセージをお願いできますか?

島田 ありがとうございます。まず、我々スタイル・エッジは、弁護士や医師を支援し、彼らが抱える課題を解決することで社会に貢献するというミッションを持っています。特に、社会課題に取り組む姿勢を持ち続けながら、革新的なソリューションを提供していきたいと考えています。ですので、ぜひ「スタイル・エッジ」という名前を覚えていただければと思います。今後ともよろしくお願いします。

氏名
島田 雄左(しまだ ゆうすけ)
社名
株式会社スタイル・エッジ
役職
代表取締役

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