この記事は2025年2月27日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=yukinoshirokuma/stock.adobe.com)

2025年2月27日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

昨日26日(水)の米ドル/円は148.50~148.60円台が下値支持として意識されたことで149.90円付近まで反発したが米長期金利が低下に転じたため上げを解消。前日比0.1%未満の小幅高となる149.10円前後で取引を終えた。

トランプ米大統領はカナダとメキシコに対する関税の発動をさらに1カ月延期した一方で、欧州連合(EU)への25%関税に言及した。かつてトランプ関税は米国のインフレを押し上げるとの見方から長期金利の上昇要因とされていたが、足元では世界経済のリスク要因として金利低下に繋がるケースが目立つ。

2月のサービス業PMIや消費者信頼感指数の大幅な悪化によって米国の景気減速懸念がくすぶる中では、トランプ関税のマイナス面が意識されやすいのだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は本日27日(木)も148.50~148.60円を巡る攻防戦の行方が注目される。この水準を下値支持として維持できれば昨年12月安値(148.64円前後)とのダブル・ボトム形成が期待できる一方、明確に割り込めば147円付近(昨年9月から今年1月の上げ幅の61.8%押し=146.95円前後)まで下値支持が下降することになりそうだ。

米景気不安、米関税(によるリスクオフ)が米ドル/円相場の重しになっている現状では下値不安の方が強いと言わざるを得ないだろう。ただし、月末の接近によってドル需要が高まる可能性がある点には注意が必要だ。

2月はドイツ株価指数が最高値を更新するなど欧州株のパフォーマンスが良好だったことから、ユーロからドルへの資金シフトがリバランスとして発生することも考えられる。また、国際通貨先物市場(IMM)において投機筋の円ロング(グロス)が15万枚近くに達し、過去最高水準にあることから手仕舞いの円売りが出てもおかしくない。

足元の米ドル/円相場のセンチメントは明らかに下方向だが、タイミング的に下攻めへの過信は禁物だろう。148.50~148.60円を巡る攻防戦の決着は、米国の重要経済指標(2月のISMや雇用統計)が相次ぐ来週に持ち越される可能性もあると見ている。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。