この記事は2025年7月2日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Conny Crane/stock.adobe.com)

2025年7月2日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

早いもので今年も半分終了した。そこで上半期の為替市場の主要通貨の推移をチェックしたい。添付図は今年前半の主要通貨の対米ドルの騰落率。

<主要通貨の対米ドルの騰落率>

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(出所:ブルームバーグ)

ドルは主要通貨に対して全面安。圧倒的に強いのが最強通貨スイスフラン。あとはユーロ、ポンドと続く。

一方、対米ドルで上昇が緩慢だった通貨が、豪ドル、キウイ、日本円と続く。つまり米ドルの弱さが際立つ中、強さを維持したのが欧州通貨ということになる。

スイスフランはゴールドの代替通貨としての人気もあり、強さが際立っていた。そのスイスだが、SNBシュレーゲル総裁が「マイナス金利導入のハードル高まった」と日経のインタビューに答えており、米ドル/スイスフランの戻りは限定的になったと考えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円に関しては、昨日1日(火)の相場ではドル全面安となる展開だったのだが、鬼門の142.00円をブレイクできず、あっさり143円台ミドルまで戻されている。

ドルが総じて弱い中、米ドル/円だけは国内からのデジタル赤字や、新NISAによる家計の円売りが収まらず下げ渋る展開。

結果としてユーロ/円やスイスフラン/円は、年初来高値を更新している相場が続いている。特にスイスフラン/円は、昨年の高値である180.07円をブレイクし、一時181.83円まで上昇しており史上最高値の更新が続いている。

よって、戦略的には最強通貨であるスイスフラン/円の押し目買いスタンスを継続したい。

▽スイスフラン/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。