動画配信期間:公開日から2週間

動画の内容をギュッと要約

日本の金融政策と市場への影響

• 日銀の介入と利上げの結果
- 2024年1月11日に日銀が介入、7月末に利上げを実施
- 目的はインフレ抑制だったが、インフレ率は2.8%から3.5%に上昇
- 株価は7月10日のレベルを回復できず、ドル円は一時20円下落
- 現在3円程度戻したが、結局17円程度の下落を維持

• 円高による経済への悪影響
- 株価は一時1万円を割る大幅下落
- 去年7月9日比でマイナス圏、世界株価と大きく引き離される
- 円高により景気低迷、企業収益悪化
- 円安株高なら景気回復、企業業績向上、年金運用収益も改善

• 国民への影響
- 年金保険料を払う限り株に関係する
- 銀行預金も株投資に使われるため国民全員に関係
- 政府がおもちゃのようにドルを売るべきではない

通貨・市場動向

• 6月の相場状況
- 過去5年連続ドル高(6月)、5年連続ドル安(7月)
- 6月は辛うじて6年連続ドル高を達成
- 5月・6月はドル売りプレッシャーが継続

• 日本株の低迷
- 日本株は世界主要市場で16位まで後退
- トップのギリシャ・韓国と25%引き離される
- 岸田首相の「資産所得倍増」、石破首相の「GDP1,000兆円」目標も手段が不明

アメリカ経済と金融政策

• ドルの弱さ
- 報道では「ドル強い」と言うが実際は弱い
- 1971年360円から75円まで下落の歴史
- 主要12通貨中11位と弱い状況

• トランプ政権の影響
- パウエル議長への利下げ圧力
- 不確実性で景気悪化、ドル安・長期金利低下
- 7-8割の経済指標が悪化

• 政策課題
- 関税政策の詳細未確定(日本に30-35%予告)
- 「大きく美しい法案」が上院可決、財政赤字拡大懸念
- マスク氏とトランプ氏の対立が不安要因

• 貿易収支悪化
- 駆け込み輸入で貿易赤字拡大
- 5月財貨貿易収支でも赤字拡大(ドル売り要因)

## 各国通貨の動向

• ユーロ・欧州通貨
- アメリカの混乱で漁夫の利
- 資金がユーロ・スイス・欧州通貨に流入
- 景況感は良くないが、アメリカからの資金シフトで底堅い

• オセアニア通貨
- 豪ドル:雇用統計・PMI良好だがパンチ不足
- 中国経済伸び悩みで豪州輸出減少が影響
- 物価下落で7月利下げ確率92%

• その他資産
- ドル売りで仮想通貨・貴金属に資金流入
- プラチナが金の倍以上上昇、銀・パラジウムも上昇


結論
日銀の介入・利上げはインフレ抑制に失敗し、円高・株安で日本経済と個人資産に悪影響を与えた。円相場の安定が必須。アメリカの政策不確実性でドルは弱い状況が継続し、欧州通貨が相対的に強い。7月の季節的ドル安傾向と関税政策の詳細が今後の焦点。貿易収支と外貨投信残高の動向が重要。

外為マーケットビュー
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

野村雅道
野村雅道氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。

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