参議院議員選挙の時期を迎え、各党の方針・政策に注目が集まっている。選挙は、候補者から見れば「結果がすべて」である一方、有権者にとっては各党の考え方や取り組みを比較する絶好の機会でもある。本記事では、4つの重要テーマについて、主要政党の打ち出す内容を解説する。このタイミングで、各政党がどのような内容を掲げているのかを改めて把握しておこう。

政治を考える入り口に。選挙は方針を見比べるチャンス

【参院選2025】各党の方針・政策は ? 重要テーマごとに解説
(画像=渉 関根 / stock.adobe.com)

選挙は、有権者が政治と向き合い、自分の意思をかたちにできる貴重な機会である。物価高や少子化、年金制度、政治改革など、日々の暮らしに直結するテーマに対して、各党がどのような立場を取り、何を目指しているのかを知ることは、将来の社会のあり方を考えるうえでも重要だ。

特にインターネットで情報を得やすくなった今こそ、各党の方針を丁寧に比較し、自分の考えに近い政策を見極めたい。

主要政党の方針・政策

早速、「物価高対策」「少子化対策」「女性活躍」「政治改革」の4つの重要テーマについて、衆参両院を合計した現議席数順に6つの政党をピックアップし、各党の公式サイトなどを参考に方針・政策を紹介する。なお、党として掲げている方針と、党所属の議員が個別に訴えている内容が異なることがある点や、各党の方針は時期によって変わる可能性がある点は、あらかじめ留意をお願いしたい。

物価高対策

まずは、物価高対策からだ。消費税に対する取り組み方針が注目ポイントの一つで、野党の立憲民主党や日本維新の会は、食料品に限って消費税を0%に、日本共産党は、消費税そのものを5%に緊急減税する案を掲げている。消費税は、日本における巨大な税収の源泉の一つであるだけに、税率の変更は幅広い議論が求められるが、すべての国民の税負担減につながることもあり、有権者の関心は一際高い。

  • 自民党:ガソリン料金の引き下げ、電気・ガス料金の支援
  • 立憲民主党:食料品消費税0%で食卓を応援
  • 日本維新の会:食品消費税0%や現役世代の社会保険料の引き下げ
  • 公明党:減税と給付を適切に組み合わせ、国民の生活を支える
  • 国民民主党:手取りを増やし、インフレに勝つ
  • 日本共産党:消費税の廃止をめざし、5%に緊急減税する

少子化対策

少子化対策として各党は、主に子育て世代への支援などを掲げている。教育費の無償化だけではなく、子育て自体にかかる費用の無償化を掲げる日本維新の会のほか、国民民主党は児童手当や児童扶養手当の拡充などを基本方針としてアピールしている。

  • 自民党:ライフステージに応じて切れ目なく支援
  • 立憲民主党:給食の無償化・質の担保、隠れ教育費 (修学旅行、教材費など) の負担軽減
  • 日本維新の会:「教育の無償化」から「子育ての無償化」へ
  • 公明党:児童手当の抜本拡充や妊娠・出産期の伴走支援などの実現
  • 国民民主党:「児童手当」「児童扶養手当」の拡充など
  • 日本共産党:教育費をはじめ子育てにかかる重い経済的負担を軽減

女性活躍

女性活躍に関する各党の方針では、職場における男女間の賃金格差を是正するための取り組みが多く掲げられている。実際に女性が活躍できる社会作りを進めるためには、民間企業の協力も不可欠だ。企業が実際に職場改革や雇用改革に乗り出すような実効性がある政策が求められている。

  • 自民党:仕事と健康課題の両立の支援など
  • 立憲民主党:男女の経済格差を解消し、「同一『価値』労働同一賃金」を実現
  • 日本維新の会:企業の女性雇用率や女性役員比率に応じて政策的な減税の実施
  • 公明党:企業などにおける女性活躍、女性の所得向上・経済的自立などに関する支援・施策
  • 国民民主党:出産した女性の所得が減る「母の罰」の解消
  • 日本共産党:男女の賃金格差を政治の責任で是正する

政治改革

いわゆる「裏金問題」を巡り、政治改革に対する国民の関心は一気に高まった。現制度下の政策活動費に対する改革姿勢や内容は各党によって違いがあり、例えば自民党は「政策活動費の透明性の確保」を掲げているが、国民民主党は「政策活動費の廃止」を政策として打ち出している。

  • 自民党:政策活動費の透明性の確保など
  • 立憲民主党:裏金を許さない。企業・団体献金の禁止
  • 日本維新の会:徹底的な見える化、脱しがらみで政治腐敗を浄化する
  • 公明党:「政治とカネ」の問題に厳しく対処し、政治への信頼回復に全力
  • 国民民主党:全ての政党における調査研究広報滞在費 (旧文書通信交通滞在費) の全面公開や政策活動費の廃止など
  • 日本共産党:「財界中心」「アメリカ言いなり」の自民党政治にメスを入れる

自らの資産運用についても考える機会に

本記事では、現勢力順に6つの政党の政策を比較したが、その他の政党についても公約や政策を各党の公式ウェブサイトで確認してほしい。また、今回取り上げた4つのテーマに加えて、「国民の生活や資産形成をどのように後押しするか」という観点から各党の政策を見比べることも、有意義な取り組みといえる。

同時に、国に依存し過ぎず、シニア期をどう自分で支えるかという意識を持つことも大切だ。今回の選挙を、自身の資産運用のあり方を考える契機とし、自分の未来と向き合う時間として、ぜひ有効に活用したい。

(提供:大和ネクスト銀行


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