この記事は2025年7月22日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


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2025年7月22日(火)の午後12時半時点に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

一昨日20日(日)の参院選で、与党が過半数割れとなり週明けは円売りで始まると考えていた。

3連休前の18日(金)のNY市場の米ドル/円は148.80円付近で引けていたのだが、参院選終了翌日21日(月)の海外市場は、ドル売り・円買いとなった。

なぜ円が買われたのかについては、海外市場では、結局石破首相の退任もなかったため、「与党は思ったほどの大敗ではなかった」と捉えたようだ。よって、大敗を見越して円を売っていた人達が円を買い戻さなければという動きになった訳だ。

ここからの与党の動きがどうなるかはまだわからないものの、いずれにせよ様々な政策を実行していく上で、どうしても財源が必要となる。

そのためには国債の増発しかなく、価格が下落し金利が上昇し日本の財政がどうなるかと言えば、やはり円売りの方向になるだろう。

よって、円高はそこまで続かないのではないかと考えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、146.50~150.00円。これは昨日21日(月)の祝日早朝、まだマーケットが始まる前に考えていたものだ。

目先は上方向を考えているものの、中長期的には140円方向に下落すると考えている。ただし、それは米景気鈍化、雇用悪化、小売りが落ちてGDPが下がり、米金利が引き下げられてからだろう。

現在はインフレ懸念もあり、パウエルFRB議長は利下げに踏み切らないが、景気が鈍化していけば当然利下げを実施する訳で、関税問題が無ければ利下げしていたとの発言もあった。

また、トランプ米大統領がパウエルFRB議長を解任しようという意図があったが、ベッセント米財務長官がそれを阻止する動きに出たため、結果的にトリプル安は免れた。

戦略的には、目先は押し目で買いから入り、直近高値レベルの149.20円を超えてくると150円を目指して上がる可能性が出てくるため、149円後半で利食いをするイメージで考えている。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。