南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「南ア議長のG20反米声明、7月はランドが最強」南アランド見通し

「通貨5位、株価5位」
「予想レンジ 南アランド円8.1-8.6」

(ポイント)
*ランドが月間最強へ
*反米声明採択、南アが議長国のG20財務相・中銀総裁会議
*G20は関税反対、中銀の独立性重視を主張
*今週CPI、来週は政策金利と関税発効
*10月にグレーリストから外れる
*南アの楽観論と悲観論
*トランプ米大統領、南アからの対米輸出品に30%の関税課す
*GNU亀裂問題は続くが修正の兆しも
*今年のランドを支えるのは資源価格の上昇
*S&P、南アの2025年の成長予測を下方修正
*インフレターゲット引き下げで進展あり
*イスラエル問題で米国と対立
*1Q・GDPは前年同期比0.8%増

(月間最強へ)
 7月は再び最強通貨に復活した。年初来高値の8.52にはまだ届かない。年間では前週の8位から5位へ上昇。円を抜いた。南ア株価指数は年初来17.35%高と続伸。10年国債利回りは9.94%。 

(反米声明、南アが議長国のG20財務相・中銀総裁会議)
・貿易戦争
G20財務相・中央銀行総裁は共同声明で国際的な政策協力を約束し、米中貿易戦争をめぐる緊張が高まる中、まれに見る合意に達した。
 「世界経済は、進行中の戦争や紛争、地政学的・貿易上の緊張など、高まる不確実性と複雑な課題に直面している」とした。貿易問題の前進における世界貿易機関の重要性に言及するとともに、「WTOには課題があり、そのすべての機能を改善するためには、有意義で必要かつ包括的な改革が必要である」との認識も付け加えた。

・中銀の独立性
 また、トランプ大統領が課税がインフレを刺激する恐れを懸念して金利を引き下げないことで反対しているとして激しく非難しているパウエルFRB議長の側に立った。

「中央銀行は、それぞれの責務に基づき、物価安定の確保に強くコミットしており、引き続きデータに基づき政策を調整していく」と声明は述べた。「この目標を達成するには、中央銀行の独立性が極めて重要である」とした。

ベッセント米財務長官は日本訪問を優先してこの会合を欠席した。

(今週の消費者物価を確認して来週は政策金利決定)
6月消費者物価の予想は2.9%上昇、前月は2.8%、コアは2.9%上昇予想、前月は3%。
今のところ米国の関税執行を控え7月31日の政策金利は725%で据え置き予想

(南ア楽観論)
 米国は8月1日に南アに30%の関税を課す。 この関税により、最大の貿易相手国の一つである米国への輸出が制限されることになる。
 米国経済は今年後半に景気後退に陥る可能性が高いが、中国とユーロ圏は南アにとって両国が重要な貿易相手国であるため、引き続き堅調に推移すると指摘した。
 消費者がより安い価格を要求し続けるため、米国以外の世界でも世界的な自由貿易が続く可能性が高い。
さらに、南アの輸出の8%未満が米国向け。これは比較的小さな金額であり、いくつかの例外措置が予想されるため、一夜にして0%に下がる可能性は低い。

また、南アのGDP成長率が過去15年間の平均1.1%から中期的にはおよそ2.5%に改善すると予想されている。 特に電力と水道部門に重点を置いた民間部門の経済への関与の拡大から生まれる。
 国民統一政府(GNU)の成立に伴う信頼感の高まりも経済を後押しすると期待されている。国庫は債務対GDP比が高水準に達しないようにうまく管理してきている。

(南ア楽観論その2 追加、グレーリストからの脱極)
南アは、グレーリストから10月に脱退することに近づいており、今月、査定官チームが同国を訪問する予定となっている。
このリストから外れれば、南アがマネーロンダリングやテロ資金供与と戦う改革の実施で十分な進歩を遂げたことが示され、投資家の信頼を高め、資本の流れを円滑にする可能性が出てくる。