この記事は2025年7月29日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=cassis/stock.adobe.com)

2025年7月29日(火)の午後12時半時点に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

日米の関税交渉において、報道では、税率が25%から15%に引き下げられ、合意したと書かれている。 しかしながら、詳細は、交渉に当たった赤沢亮正経済再生担当相の頭の中にしかない(合意文書未作成)状態で内容的にもひどいものだった。

赤沢氏がTVで話したのは「総額5,500億ドルのうち米国に投資するのは1~2%」と述べ、残りが融資や保証だといった。

しかしラトニック米商務長官は、「米国の国家安全保障上の重要なもの(たとえばワクチンや抗生物質など)を作る際の投資資金を、Japan will pay(日本が払う)」と発言。

しかも資金内容の決定権は全て米国にある。そこでもし利益が出たら取り分は9割が米国で1割が日本ということだった。

ラトニック氏は元々は投資金額に関しても4,000億ドルで示していたのだが、トランプ米大統領と赤沢氏が話している間にフリップに書かれたその数字に線を引いて5,000億ドルとなり、さらに10%の税金が上乗せされ、結果5,500億ドルとなっていった。プロフィットシェアも最初は折半でともに50%だったのだ。

やっていることがめちゃくちゃで、かつ今後トランプ氏が気にくわないことがあれば税率を25%にするといった脅しもあり、この先揉めることは目に見えている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、145.50~149.50円。目先は横ばい推移となるだろう。150円は超えられず、かといって145円を割って下落するとも思えない。戦略的には押し目があれば買いたい。

しかし今週は指標も多く月末週でもあり、週末の8月1日(金)には雇用統計も控えているため、あまり無理をして買っていくような局面でもないだろう。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。