
(画像=「セブツー」より引用)
ストッキングやインナーウェアで知られるアツギが、苦境に直面している。アツギは7月30日、2026年3月期の第1四半期決算を発表し、売上高は前年同期比4.2%減の43億1000万円、営業損益は5億2200万円の赤字となった。最終損益も5億900万円の赤字に転落。前年は2200万円の黒字だったが、一転して厳しいスタートとなった。こうした状況を受け、アツギに対しては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在している。
主力の繊維事業(レッグウェア・インナーウェア)は、消費者の節約志向によって高単価商品の販売が苦戦し、売上は39億7300万円(前年同期比5.4%減)、営業損益は6億3800万円の赤字。レッグウェア市場はコロナ禍以降、長期的な縮小傾向にあり、円安、原材料費、物流費、人件費の高騰が利益を圧迫している。
一方、不動産事業では明るい兆しもある。神奈川県海老名市の自社土地を賃貸に出し、売上高は1億7700万円(同26.7%増)、営業利益は1億3500万円(同28.5%増)と堅調だった。
通期予想では、売上高は前期比5.1%増の230億円、営業利益は1億円の黒字(前年は9億3000万円の赤字)、最終利益も1億円(前年は3億7600万円の赤字)と黒字転換を見込む。アツギは今期、7期ぶりの営業黒字化を目指すものの、初動は厳しく、再建には大きな課題を残している。