レザーバッグ不振、インバウンド減速が直撃 サックスバーHDの第1四半期は34%の減益
(画像=「セブツー」より引用)

ハンドバッグブランド「サックスバー(SAC'S BAR)」を展開するサックスバー ホールディングス(以下、サックスバーHD)は8月4日、2026年3月期の第1四半期決算を発表した。売上高は118億1500万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は5億5700万円(同31.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億3800万円(同34.3%減)と減収減益だった。

業績悪化の背景には、皮革ハンドバッグの冷え込みがある。同社の主力であるレザーバッグは、22.1%の大幅な減収となり、ファッション性よりも実用性や価格重視の消費傾向が強まっていることが伺える。また、円安の影響を受けてインポートバッグの仕入れを抑制した結果、同分野の売上高も23.0%減と大きく落ち込んだ。

さらに、コロナ禍からの回復が進んでいたインバウンド需要も鈍化傾向にあり、訪日観光客による消費が想定を下回ったことも響いた。単価の低下と購買意欲の低迷が継続しており、消費マインドの本格回復には時間を要しそうだ。

一方で、キャラクターとコラボしたプライベートブランド(PB)やナショナルプライベートブランド(NPB)は、前期比7.4%増と好調を維持している。モンチッチやハローキティとの商品展開が支持を集めており、今後もこの領域の強化に注力する方針だ。

サックスバーHDの2026年3月期の連結業績予想は、売上高は534億5500万円(前年比2.2%増)、営業利益は41億5300万円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億5800万円(同4.5%増)としている。レザーバッグ不振、インバウンド減速、さらには消費の冷え込みという三重苦の中で、コラボ商品やPB戦略をいかに次の成長軸へと昇華させられるか、サックスバーHDの舵取りが注目される。