ルックHDが下方修正 「イル ビゾンテ」が好調も韓国市場が2割減と不振
(画像=「セブツー」より引用)

欧米の人気ファッションブランドを展開するルックホールディングス(以下、ルックHD)は8月7日、2025年12月期の中間期決算を発表した。売上高は242億8400万円(前年同期比11.7%減)、営業利益は8億1900万円(同15.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は5億3800万円(同24.0%減)と2桁での減収減益だった。

同社は、「A.P.C.(アーペーセー)」や「マリメッコ(marimekko)」「イル ビゾンテ(IL BISONTE)」などの欧米ブランドを取り扱い、日本・韓国を中心にアパレルおよび雑貨事業を展開している。

日本国内は、売上高は119億9800万円(前年同期比1.3%減)、営業利益は8億5500万円(同2.5%減)だった。ブランド創業55周年を迎えた「イル ビゾンテ」の周年記念コレクションなどの販売が好調だったが、アパレルブランドが天候不順などの影響で苦戦した。

また、韓国事業の失速が、今回の決算において最大のネガティブ要因となった。売上高は114億1300万円(同20.4%減)、営業利益は4億1500万円(同26.5%減)と大幅な減収減益となった。韓国ではアパレル市場の低迷が長期化しており、消費者の購買意欲も鈍化。特に、若年層の購買行動が変化する中で、欧米ブランドを主力とするルックHDにとっては厳しい環境が続いている。日本と並ぶ売上規模を誇る韓国市場の低迷は、グループ全体の収益に大きな打撃を与えた形だ。

海外のその他の地域においても回復の兆しは限定的だ。欧州市場の売上高は16億5700万円(同3.3%減)で、営業損失は1億5400万円の赤字。前年同期の赤字(1億4300万円)よりも悪化した。米国や東南アジアにおいても、売上高は前年同期比12.5%増となる2億100万円と増収だったものの、営業損失は3800万円の赤字(前年同期は6100万円の赤字)と、依然として営業赤字が続いている。

ルックHDは8月1日に2025年12月期の連結業績予想の修正を発表しており、売上高は520億円(修正前は550億円、前年比5.0%減)、営業利益は22億円(同26億円、同13.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(同20億円、同11.7%減)。今回の下方修正は、特に韓国市場での販売鈍化が影響しているようだ。一方で、「イル ビゾンテ」などは売り上げを伸ばしており、さらに英国のステーショナリーとレザーグッズのブランド「スマイソン(SMYTHSON)」の販売を開始しており、業績への貢献が期待される。