メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「輸出増と投資増で、年間でペソは3位。今夜はCPI」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.7-8.2

(通貨3位、株価6位)

 (ポイント)
*月間6位、年間では3位、株も好調
*週足が11週ぶり陰線になった後は伸び悩んだが今週回復
*関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は好調
*FDIも米関税賦課の不確実性の中でも増加
*ペソ下落を導くものは円高か
*IMF成長見通し上方修正
*2Q・GDP改善
*米国関税交渉90日延長
*CPIが目標圏内に低下、コアは底堅い
*関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は好調
*秋からUSMCA見直しが始まる
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正=昨年はフィッチの悲観的見通しで経済は後退した
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法。水、等々

(回復中)
 米雇用統計悪化でのリスク回避の下げから回復したが、8円台にはのせず2σ下限へ反落。ただ今週は再び反発し中位越え。月間ではここまで6位、年間では3位。
ボルサ株価指数は年初来18.48%高。10年国債利回りは8.98%。
 2QのGDPが改善したことや、また米国との関税交渉も対等に戦っており、当面の期限を90日延長してメキシコの交渉力の強さも示している。

(ロドリゲス中銀総裁がペソ上昇を語る)
ロドリゲス中銀総裁は、メキシコペソの上昇は、米国の関税政策におけるメキシコの「優遇措置」に対する市場の認識によるものだと述べた。金融政策については現在の政策スタンスは適切だと述べた。
総裁は、現在の金融政策スタンスはインフレ圧力に対処し、2026年3Qまでにインフレ率を3.0%の目標に収束させるのに十分であると強調した。

(今夜は消費者物価)
 今夜は8月前半消費者物価に注目したい。総合インフレはインフレターゲット上限の4%を下回っているが、コアは上回っている。予想は総合が3.69%、コアが4.27%。前回は
それぞれ3.55%、4.25%。6月小売売上は前年比2.5%増、前月は2.7%増。また今夜は、経済活動指数、2Q・GDP最終値などの発表がある。

(メキシコへの投資が増加)
 シェインバウム大統領は、25年1Qの外国直接投資(FDI)は2024年の同時期と比べて10.2%増加し、2017年の投資の2倍以上になると述べた。
  FDIは発展の重要な要素であり、雇用創出と競争力強化の可能性を秘めているとした。「雇用創出、貯蓄と外貨獲得の増加、競争の刺激、新技術移転の促進、そして輸出拡大の可能性を秘めている」ことを示している。

(上半期の貿易はトランプ関税下でも堅調に推移。下半期の注目点は)
2025年上半期のメキシコの輸出額は前年同期比4.4%増の3,127億ドル、輸入額は0.2%増の3,113億ドル、収支は14.3億ドルの貿易黒字だった。6月単月でみると、輸出額は前年同月比10.6%増、輸入額は4.4%増となり、特に輸出が好調だった。
 輸出を国・地域別にみると、全体の83.4%を占める米国向けが前年同期比4.9%増の2,608億ドルと拡大した。輸入では、米国(5.9%減)やカナダ(7.8%減)からの輸入額が縮小した一方、中国(2.6%増)やASEAN(20.9%増)からの輸入が伸びた。
 下半期については、7月31日に発表された米国の対メキシコ追加関税率の引き上げ延期やUSMCA協定の見直しに向けた動きなど、最大の貿易相手国である米国との関係が注目される。