この記事は2025年9月3日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

2025年9月3日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

レイバーデー明けの9月相場は、流動性が戻り相場が本格化する事が多いため、昨日2日(火)のマーケットが注目されていたが、円安でスタート。

まず、英国市場は再び債権売りが優勢となり、長期国債利回りが1998年以来の高水準を記録。これを受け、ポンドが急落。要因は、キア・スターマー首相に対し政府予算への投資家の信頼確保を求める圧力が強まっているためと、Bloombergが報じている。

英国の不安定な財政状況と粘着的な高インフレにより、同国資産は弱気相場に陥りやすい局面が続いている。レイチェル・リーブス財務相にとっての課題は、相場の下落が続くたびに債務コストが押し上げられ、財政が一段と悪化し、経済が恒常的に高い借入コストのリスクにさらされる点だ。リーブス財務相は年末までに予算案を提出する予定で、ブルームバーグ・エコノミクスが推計する350億ポンド(約470億ドル)の財源不足を、景気を損なわずに歳出削減や増税で埋める方針。 ただし、議員の反発で福祉改革を撤回せざるを得なかった経緯もあり、政治的な困難が予想される。

(出所:Bloomberg)

これを受け、昨日2日(火)の英30年債利回りは、最大8ベーシスポイント上昇して5.72%。ポンドは対ドルで最大1.5%下落し、安値は1.3340ドル。FTSE100は0.9%安、国内株式指数は2.2%安だった。

NY市場でも米30年債利回りが5%に接近し、ハイテク株の重しに。英ポンド/米ドルの下落に加え、米金利上昇でドルは続伸。米ドル/円は一時148.94円まで反発した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は引き続き145~152円のレンジの中での押し目買いが狙い目だろうか。

一方、ゴールドは過去最高値を更新。通常、ゴールドが最高値を更新する局面ではドルの続伸は想定しにくいものの、足元はドル金利上昇が米ドル/円を下支えすると見ている。結果、クロス円上昇の見方は変わらず。

法定通貨全般への懸念もあり、その意味ではスイスフラン/円のロングと迷ったのだが、ユーロ/スイスフランの0.9300フランレベルがサポートと見ており、ユーロ/円の押し目買いスタンス継続で臨みたい。

▽ユーロ/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。