この記事は2025年9月3日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=てんぷら/stock.adobe.com)

2025年9月3日(水)の午前11時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

足元の米ドル/円はレンジ上抜けを試している。

昨日2日(火)の英金利急騰がポンド売りを誘発したことで、受け皿となった米ドル買いフローが米ドル/円を押し上げた。

円については、自民四役が一斉に辞意を表明したことが石破首相の求心力低下を想起させた。一部では、高市次期首相を見込んだ円売りも観測されていた可能性が高い。また、タカ派観測が出ていた氷見野日銀副総裁が利上げを急がない方針を示唆したことも円の重石となった。

一方米ドルは、独自の上昇要因を欠くものの相対的に強含んでいる。FED利下げがフルに織り込まれるなかポジションがすでにショートとなっていることもあり、さらなる米ドル売りには新たな材料が必要だろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本邦政局懸念に加え日銀利上げ期待も剥落しており、円は上値の重い展開が予想される。

米ドル/円については、個人投資家がショート転換したほか、短期投機筋が依然ショートであることを踏まえると、材料次第では明確なレンジ上抜けも期待できるだろう。

もっとも、米関税が再び違法判決を受けるなど、歳入減少による米財政悪化懸念も健在であることから、米ドルが急騰するような局面ではしっかりと利確も差し込んでいきたい。

米ドル/円は押し目買いから、レンジブレイクの瞬間を逃さぬよう準備をしておきたい。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。