メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「メキシコ国とペメックスの格付けの高評価。株・為替が堅調」メキシコペソ見通し

予想レンジ 7.7-8.2

(通貨3位、株価4位)

(ポイント)
*メキシコ国とペメックスの格付けの高評価。去年と様変わり
*株・為替が堅調
*CPIより低成長で利下げ継続か
*S&Pが国の格付け維持
*ペメックスの格付けを2段階引き上げ
*6年財政赤字は縮小へ、GDP予測を上方修正
*一時ボリバン2σ上限上抜きの強さ
*中国製品に最大50%の関税賦課を検討
*関税賦課にもかかわらず、メキシコの対米輸出は好調
*FDIも米関税賦課の不確実性の中でも増加
*IMF成長見通し上方修正
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正=昨年はフィッチの悲観的見通しで経済は後退した
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法。水、等々

(メキシコ国とペメックスの格付けの高評価。株・為替が堅調に)
メキシコペソは月間4位、年間3位とまずまず。為替・株・金利ともに米国より高い。問題は成長率。ボルサ株価指数は年初来24.35%高。10年国債利回りは8.73%。

 上昇を支えたのは、S&Pの格付けの維持と財政改善の評価、またムーディーズがペメックスの格付けを2段階引き上げたことなどがある。昨年は、悲観的な格付け評価が多かっただけに様変わりだ。

(経済指標、CPIなど)
 8月の消費者物価上昇率は前年同月比3.57%と予想と一致。7月は3.51%。コアは4.23%で7月と同じ。予想は4.21%だった。中銀は弱い成長率から追加利下げを示唆している.。
 7月鉱工業生産は前年比2.7%減。6月は0.4%減。

(S&Pが国の格付け維持)
 S&Pはメキシコの外貨建て長期格付け「BBB」および現地通貨建て長期格付け「BBB+」を据え置き、見通しは安定を維持した。理由は、メキシコの財政、特に国家債務負担は、経済成長率が低いにもかかわらず、今年は安定する可能性が高い。さらに、長年にわたる慎重な金融政策と国内資本市場の拡大により、金融の柔軟性が向上している。
政権が貿易、移民、その他の問題に関するメキシコと米国間の紛争を現実的に管理し、経済の安定を維持することを期待している、などだ。(フィッチは既に景気見通しを上方修正している)

(ペメックスの格付けを2段階引き上げ)
 ムーディーズはペメックスの格付けをB3からB1へと2段階引き上げ、政府の支援が「非常に高い」と評価した。ただペメックスは引き続き根深い構造的課題に直面しており、それが同社の財務実績に引き続き圧力をかけると予想されるとした。
 ムーディーズは、メキシコ政府の「Baa2」格付けの引き下げがペメックスの格付けの引き下げにもつながる可能性があると警告した。

(26年財政赤字は縮小へ、GDP予測を上方修正)
 財務省は、26年の財政赤字がGDP比4.1%に小幅に減少するとの見通しを政府予算案で示した。25年の財政赤字はGDP比4.32%となる見込み。
 政府は社会保障制度の拡充と、多額の債務を抱える国営石油会社ペメックスの財務強化という公約を掲げているが、財政健全化も迫られている。
 26年の経済成長率予測は1.8-2.8%。予想レンジの上限と下限をそれぞれ1.3%上方修正した。
 26年末のインフレ率を3.0%と予想。中銀の目標と一致している。