
総括
FX「今年の高値更新、IMF、OECDが成長見通し上方修正」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.8-8.3
(通貨3位、株価4位)
(ポイント)
*IMF、OECDが成長見通し上方修正
*ペソ年初来高値を更新 14日連続陽線、9月の陰線は1日だけ
*株も強く、金利は低下
*政策金利0.25%利下げ、去年より弱い景気と不確実性を配慮
*輸出の増加にもかかわらず、7月の製造業の生産は減少
*USMCA見直しに関わるパブリック・コメント募集開始
*メキシコ国とペメックスの格付けの高評価。去年と様変わり
*フィッチ、メキシコ経済の縮小を「軽度」の景気後退に修正=昨年はフィッチの悲観的見通しで経済は後退した
*中国製品に最大50%の関税賦課を検討
*FDIは米関税賦課の不確実性の中でも増加
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法、水、等々
(ペソ年初来高値を更新、14日連続陽線、9月の陰線は1日だけ。その背景は)
メキシコペソは対円で8.129をつけ年初来高値を更新した。月間2位、年間では3位。
ボルサ株価指数は年初来25.11%高。10年国債利回りは8.52%へ(年初は10.83%)。ここまでの上昇を支えたのは、今週のOECD、IMF、の成長見通し引き上げ、またS&Pの格付けの維持と財政改善の評価、またムーディーズがペメックスの格付けを2段階引き上げたことなどがある。
(政策金利0.25%利下げ、去年より弱い景気と不確実性を配慮)
メキシコ中銀は政策金利を0.25%引き下げて7.5%とした。5人のうちヒース副総裁だけが金利据え置きを主張した。
中銀は声明で今回の決定は「弱い経済成長」と変動が激しい各国の貿易政策を考慮に入れたと指摘。コア物価指数は最近数カ月加速しており、9月前半の前年比上昇率は4.2%だった。
また、現在のインフレ見通しに基づき、「為替レートの動向、経済活動の弱さ、そして世界的な貿易政策の変更が及ぼす可能性のある影響、実施されている金融引き締めの水準も考慮した」と表明した。
(成長見通し引き上げ0.8%へ,OECD)
OECDは最新の経済見通し中間報告で、メキシコの2025年のGDP成長率の予測を、6月に予測した0.4%から0.8%に上方修正した。
(IMF、今年の成長見通しは1.0%に)
IMFはメキシコ経済について、成長は2025年に減速を続けるものの、来年には小幅に上向くとの見通しを示した。長期的な安定のためには財政・構造対策が必要と警告した。
見通しは貿易摩擦、インフラ格差、財政の脆弱性によって曇っていると指摘。ただ、財政安定性に対するリスクは低いと思われ、米国の需要が予想以上に強く、米国およびカナダとの貿易協定を有利に見直すことができれば改善する可能性があるとした。
24年に1.4%だったGDP成長率は今年が1.0%に、26年が1.5%になると予測している。
公的債務の対GDP比は現在の政策の下、30年までに61.5%まで上昇する可能性があるという。
メキシコ政府は、来年の成長率を1.8-2.8%と予想。来年の財政赤字は4.10%へと小幅に低下すると見込んでいる。
IMFはメキシコに対し、27年までに財政赤字2.5%を目標とし、財政の信頼性を高める措置を採用するよう勧告している。