外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年10月6日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉

目次

▼3日(金)の為替相場
(1):植田日銀総裁 早期利上げに慎重な姿勢
(2):英PMI下方修正
(3):米IS非製造業 予想以上に低下
(4):FRB高官 利下げへの見解分かれる

▼3日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が予想される/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

3日(金)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:3日(金)午前6時10分~4日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):植田日銀総裁 早期利上げに慎重な姿勢

日銀の植田総裁は大阪で講演を行い、「中心的な見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げる」と従来のフレーズを繰り返した。ただ、米国経済を中心に「不確実性は残る」と述べ、「まずは緩和環境を維持し経済を支えることが大切」、「当面は(動向を)点検していく」と説明。早期の利上げに慎重な姿勢を滲ませた。午後の記者会見でも、米国の関税政策が米経済や世界経済、ひいては日本経済に与える影響について「不確実性は依然としてかなり大きなものが残っている」と警戒感を示した。また、利上げが遅れることでインフレの制御が困難となる「ビハインド・ザ・カーブ」に陥るリスクについて、総裁は「今のところその可能性が高いとはみていない」と述べた。

(2):英PMI下方修正

英9月サービス業PMI・改定値は50.8と速報値の51.9から下方修正。これを受けて9月総合PMIも速報値の51.0から50.1に下方改定された。

(3):米IS非製造業 予想以上に低下

米9月ISM非製造業景況指数は50.0と市場予想(51.7)を下回り、8月の52.0から低下。これを受けて一時ドル売りに傾いたが、米長期金利が上昇したため、ドルも反発した。ISM非製造業景況指数の構成指数のひとつである仕入価格指数が69.4と予想(68.0)に反して8月(69.2)から上昇したことで、インフレの高止まりが意識された。一方、新規受注指数は56.0から50.4に大きく低下した。

(4):FRB高官 利下げへの見解分かれる

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は「雇用へのリスクは下振れ傾向、インフレリスクは上振れ傾向にある」と述べ、FRBの責務である雇用の最大化と物価の安定は、両面から圧力を受けているとの認識を示した。シカゴ連銀のグールズビー総裁もこれより前に同様の見解を示した上で「利下げを前倒しで行い、インフレの収束に期待することには慎重になるべきだ」と述べた。一方、これより後にはミランFRB理事が「経済に見られる顕著なシフトは現行の金利水準が高すぎることを示唆している」として、金融政策の大幅緩和をあらためて主張した。