南アランド見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「通貨、株ともに強い。中国との関係を深化」南アランド見通し

「通貨4位、株価3位」
「予想レンジ 南アランド円8.4-8.9」

(ポイント)
*ランドは4位、株価は3位と好調
*今週は消費者物価
*IMFは成長見通しをわずかに上方修正したが、回復は脆弱だと警告
*一方、ムーディーズは南アの成長見通しが安定していると評価
*停電から回復、エスコム社業績回復
*南ア、グレーリストから除外か
*AGOAはどうなる
*米国を避けてEUへ中国へ
*中国はアフリカ諸国からの輸入に対しては「ゼロ」関税
*中国・アフリカが軍事医療協力の実践をさらに深化
*南ア、中国自動車メーカーと現地生産推進で協議

(ランドは4位、株価は3位と好調)
 年初来では対円で4.92%高、依然、金、銀価格の急騰が支えている。全株価指数は年初来31.85%高と強い。10年国債利回りは9.03%。

(今週は消費者物価)
 今週は9月消費者物価の発表。予想は前年比で3.5%上昇、8月は3.3%上昇。
コア予想は3.2%上昇、8月は3.1%上昇。


(IMFは成長見通しをわずかに上方修正したが、回復は脆弱だと警告)
 IMFは、南アの25年経済成長見通しを7月より0.1%上方修正し、1.1%とした。世界的および国内的な制約が生産に重くのしかかる中、回復は緩やかで不均一になることを示唆している。
エスコムの改革と再生可能エネルギーの新たな容量追加により電力供給の安定性は改善したが、エネルギーと物流のボトルネックにより生産性と投資が抑制され続けているとIMFは指摘した。
鉄道や港湾の運行が頻繁に中断されたことで、鉱業や製造業などの主要な輸出部門の競争力が制限されている。

(IMFのインフレ、債務見通し)
インフレは、2024年の不安定な時期の後、世界的な燃料および食料価格の低下とランドの安定に支えられ、2025年には3.4%、2026年には3.7%に落ち着くと予想。
しかし、IMFは、金利コストの上昇と歳入徴収の弱さが財政の持続可能性を脅かすなど、公的債務の動向は依然として懸念されると警告した。
政府の債務対GDP比は2026年までに75%を超えると予想されており、社会支出とインフラ投資の需要が高まる中で財政余地は依然として限られている

(ムーディーズ=南アの成長見通しが安定している)
 ムーディーズは、南アの経済成長軌道に前向きな傾向が現れていると述べ、改革が進展を見せ始め、財政規律が維持されていることから、安定した見通しを維持している。

国民統一政府(GNU)内部での摩擦は続くだろうが、今年初めの国家予算承認に見られるように、連立政権のパートナーらが主要法案で妥協点を見出すとムーディーズは予想していると付け加えた。
一方、南アの信用格付け「Ba2」を安定的な見通しで再確認し、同国の経済回復は依然として緩やかだが、改革の進展に支えられていると述べた。

「格付けが上がる要因について、我々の見方では、南アが経済活動に対する構造的制約の緩和で大きな進歩を遂げているとみられる場合、格付けに上方圧力がかかるだろう」と述べた。