メキシコペソ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

平素より野村雅道氏の「メキシコペソ見通し」レポートをご利用いただき、誠にありがとうございます。 誠に勝手ながら、2025年10月31日をもちまして本レポートの配信を終了させていただくこととなりました。これまで長らくご愛読・ご利用いただき、心より御礼申し上げます。

総括

FX「メキシコ最終号、ペソは年初来2位」メキシコペソ見通し

予想レンジ 8.0-8.5

(通貨2位、株価5位)

 (ポイント)
*メキシコペソは年初来2位
*3Q・GDPは予想通り減速
*来週は政策金利
*USMCA見直し、北米3カ国の合意は難しいか
*来年は緩やかに回復へ、IMFが成長見通し大幅修正
*株は強い 金利は低下傾向
*米国は50人以上のメキシコ政治家のビザを取り消す
*大統領支持率73%!
*郷里送金減少傾向
*FDIは米関税賦課の不確実性の中でも増加
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法、水、等々

(年間2位堅持)
今月はメキシコペソが一時スイスを抜いて首位奪取(年間)したが続かず現在は2位。対円10.21%高。ボルサ株価指数は年初来27.1%高。10年国債利回りは8.64%で年初の10.83%から低下傾向。
 
(3Q・GDPはほぼ予想通り縮小)
 3Q・GDPは予想通り縮小した。前期比で0.3%、前年比で0.2%減少した。予想はそれぞれ0.4%、0.3%の減少。後退は工業部門の落ち込みで、製造、建設、鉱業、エネルギー部門は前四半期比1.5%、前年比2.9%縮小し、COVID-19の流行以来最悪の状況となった。
 月次データも厳しい状況を示している。7月の経済活動は0.9%減少し、8月と9月はかろうじて0.1%回復し、9月は0.6%の縮小。
農業など一次産業は、前期比で3.2%、年間で3.0%の成長を見せたが、一方でサービス業は8月に0.4%、9月に0.8%というわずかな伸びにとどまり、経済を押し上げるには弱かった。

(来週は政策金利)
 11月6日の政策金利決定ではインフレの底堅さはあるが景気減速も受けて政策金利は7.5%から7.25%へ0.25%引き下げられる見通しだ。FRBも今月0.25%の利下げを実施した。
 
(メキシコ、米との交渉期限「数週間延長」)
 シェインバウム大統領は27日、トランプ米大統領と25日に電話会談し、米国との懸案の問題を巡り協議するために、両国は貿易交渉の期限を「さらに数週間」延長すると明らかにした。
 メキシコとの貿易協定を90日間延長し、その間、新たな協定の締結を目指して協議を続けることで、シェインバウム大統領と合意したと発表していた。その期限を今週に控える中、シェインバウム氏は、懸案の54項目の貿易障壁を解決するために「さらに数週間」の猶予を確保することでトランプ氏と合意したと言及。「11月1日を迎える前に、われわれが連絡を取り合い、双方のチームがまだ作業を継続することで合意していることを確認したかった」とし、「われわれはこの問題を事実上、解決しつつある」との考えを示した。

(エブラルド経済大臣、メキシコは米国との関税交渉を「90%完了」)
 エブラード大臣は、2026年に予定されているUSMCA自由貿易協定の見直しを前に、約90%完了していると述べた。
 USMCAに従わないメキシコ製品すべてに適用される米国のフェンタニル関連関税は、 10月29日に90日間の高関税実施一時停止期間が終了するため、来週には25%から30%に引き上げられる可能性がある。
  大臣は米国との貿易交渉について、「90日間に関しては、非常に大きな進展があったと言えるだろう」と述べた。カナダも含まれるUSMCAの「見直し前」にメキシコと米国が協議している貿易問題について「約90%」の進展が見られたと推定した。
 メキシコがUSMCAに従わない製品への関税引き上げ案を阻止する合意に達すると確信していることを示唆しているように思われる。
 米国の鉄鋼とアルミニウムへの50%の関税について問われると、米国政府との解決には至っていないことを認めた。「我々は米国に様々な提案を提示した。そのうちの10%については回答を待っている」と述べ、「すぐに」回答が得られることを期待していると付け加えた。
 9月下旬、米国通商代表部のグリア氏はメキシコがUSMCAを遵守していないと非難し、通商代表部がメキシコ当局者と違反疑惑について協議中であると述べた。
 トランプ大統領は、米国がメキシコとカナダ両国に対して貿易赤字を抱えていることに不満を抱いており、両国が国境を越えた麻薬の流入を阻止するために十分な対策を講じていないと非難している。