外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年11月11日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

目次

▼10日(月)の為替相場
(1):米政府機関閉鎖解除に前進
(2):日銀主な意見公表
(3):RBA副総裁 タカ派的発言
(4):中川日銀審議委員講演
(5):セントルイス連銀総裁「追加利下げの余地は限られる」

▼10日(月)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:リスクオンの展開が続くかが焦点/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

10日(月)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:10日(月)午前7時00分~11日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):米政府機関閉鎖解除に前進

週末に米政府機関の再開を巡り、共和党のスーン上院院内総務が「合意がまとまりつつある」と発言。米政府機関閉鎖解除への期待から週明けは全般的にドルが買われて取引が開始された。クロス円はドル円が上昇した影響を受けた。その後、米上院は政府機関の閉鎖を終わらせるための法案を前進させる手続き上の評決を可決し、ホワイトハウスも超党派の合意を支持する立場を示した。

(2):日銀主な意見公表

日銀は10月29-30日に開催した金融政策決定会合における主な意見を公表。金融政策運営に関する意見では、「春季労使交渉(春闘)に向けた初動のモメンタムが重要」など、企業の賃金設定行動を意識する意見が複数あった。また、「利上げを行うタイミングが近付いている」など、追加利上げに前向きな意見も目立った。

(3):RBA副総裁 タカ派的発言

豪中銀(RBA)のハウザー副総裁は「過去の成長率に達するには、供給能力の増強が必要」と語った。 そのうえで、「RBAの目標を達成するには、金融政策は十分に制限的である必要がある」と指摘し、追加利下げの余地はほとんどないとの認識を示した。

(4):中川日銀審議委員講演

中川日銀審議委員が岡山市で講演。物価の先行きについては「これまで消費者物価指数の上昇に大きく寄与し てきたコメなどの食料品価格のプラス寄与が剥落していくことで、前年比の伸び率は落ち着いていくが、これまでの物価上昇には、企業による賃金・価格設定行動の積極化なども影響していると考えており、今後の企業行動を丁寧に確認する必要がある」との見解を示した。また、金融政策の運営については「日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と語り、10月の日銀金融政策決定会合での声明と同じ見解を示した。

(5):セントルイス連銀総裁「追加利下げの余地は限られる」

米セントルイス連銀のムサレム総裁は米国のインフレ率は2%よりも3%に近い水準であり、現在の金融環境は非常に緩和的であると指摘し、「追加利下げは慎重に臨むことが非常に重要だ。金融政策が過度に緩和的になるのを避けながら追加利下げを行う余地は限られている」との見解を示した。