主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年11月14日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼13日(木)の為替相場
(1):日銀総裁 従来の見解述べる
(2):強い豪雇用統計
(3):米下院 つなぎ予算案を可決
(4):英GDP 予想に届かず
(5):FRB高官 追加利下げに慎重な姿勢示す
▼13日(木)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:下値を探る展開となる可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
13日(木)の為替相場
期間:13日(木)午前7時10分~14日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀総裁 従来の見解述べる
日銀の植田総裁は参院予算委員会で、現在の物価動向について「一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率は2%に向けて緩やかに上昇している」と答弁した。また、賃金と物価の好循環を実現するために「適切に政策を運営していく」と発言。金融緩和を重視すると見られる高市政権との関係に市場の注目が集まる中、総裁は従来の見解を述べるにとどめた。
(2):強い豪雇用統計
豪10月雇用統計は、新規雇用者数が4.22万人増と市場予想(2.00万人増)を上回り、前月(1.28万人増)から増加幅が拡大。失業率は4.3%と市場予想(4.4%)以上に前月(4.5%)から低下した。
(3):米下院 つなぎ予算案を可決
米下院は上院から送付された2026年1月30日までのつなぎ予算案を賛成多数で可決。政府機関閉鎖は過去最長となる43日で解除されることが確実となった。その後、ホワイトハウスは連邦政府職員に対し13日から職場復帰するよう指示したことを明らかにした。
(4):英GDP 予想に届かず
英7-9月期国内総生産(GDP)は前期比+0.1%と市場予想(+0.2%)に届かず、4-6月期(+0.3%)から伸びが鈍化した。英9月鉱工業生産は前月比-2.0%と市場予想(-0.2%)を下回る大幅な落ち込みとなった。英9月貿易収支は188.83億ポンドの赤字となり、赤字額は市場予想(207.52億ポンド)より少なかった。
(5):FRB高官 追加利下げに慎重な姿勢示す
米クリーブランド連銀のハマック総裁は「インフレ率を目標に向かって引き下げる圧力を維持するため、いくぶん景気抑制的な姿勢を続ける必要がある」「景気抑制的な政策スタンスを保つため、金利は現行水準付近に維持する必要がある」との見解を示した。この日は、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁やセントルイス連銀のムサレム総裁も、あらためて追加利下げに慎重な考えを表明した。利下げ観測が後退する中、米長期金利は上昇したがドルの支えにはならなかった。一方で、米株価指数が下落したことから円を買い戻す動きが優勢だった。