伯東は半導体、電子部品などのエレクトロニクス商社として独自の立ち位置を築いている。特定の企業グループに属さない独立系の専門商社で、工業薬品や化粧品原料を製造するケミカルメーカーの顔を併せ持つ。売上高2000億円に向けては目下、胸突き八丁の段階にある。その同社が今年、初の本格的な海外M&Aに乗り出した。

同業のシンガポールRabyteを買収

伯東は2月、同業のエレクトロニクス商社であるシンガポールのRabyte(ラバイト)を買収すると発表した。Rabyteは1989年設立で、直近売上高は約188億円。電子部品・最先端半導体の取り扱いに加え、設計提案やサプライチェーン(供給網)管理などの付加価値サービスを提供している。

伯東は同社を取り込み、成長市場と位置付ける東南アジア、ANZ(オーストラリア・ニュージーランド)での顧客基盤の拡充やクロスセル(相互販売)につなげる。

シンガポールには1996年に現地法人「伯東シンガポール」を設立して30年になるが、M&Aによるインオーガニック(非連続)な成長戦略を推し進めることで事業拡大のスピードを加速する狙いだ。

併せて、Rabyteグループでインドを本拠とするRabyte Edge(売上高約52億円、2016年設立)も買収した。

伯東は昨年9月、インドに現地法人を設立し、工業用排水処理システムなどの販売に乗り出しており、同国内での足場が一層強固になる。

今回、RabyteとRabyte Edgeのいずれも株式76%を取得。2028年中に残る株式を追加取得して完全子会社化する。買収金額は非公表。

現在、伯東の海外ネットワークはアジア諸国を中心に25拠点を展開する。北米は米デトロイト、欧州はチェコのプラハに現地法人を構える。

新中計、売上高2000億円乗せへ

伯東は中期経営計画「HAKUTO 2028」(2026年3月期~29年3月期の4カ年)の1年目を間もなく終える。最終年度の29年3月期に売上高2500億円以上、営業利益率4.0%以上(為替影響を除く)を目標とする。

足元の2026年3月期業績予想は売上高1.6%増の1860億円、営業利益24%減の60億円(営業利益率3.2%)。車載向けを中心とする半導体では顧客の在庫調整や需要低迷が継続し、パワーデバイス関連機器も設備投資抑制が響き、営業利益を圧迫する。

工業薬品や化粧品原料など化学品を手がけるメーカー部門のケミカル事業は全売上高の6%程度に過ぎないが、化粧品需要の回復や環境・電子産業分野の事業拡大などから増収増益を見込む。

なかでも化粧品関連では薬品開発で見つかった天然由来成分をベースとした原料の供給にとどまらず、自社ブランドによるスキンケア商品「TAEKO」を売り出している。

業績推移をみると、2023年3月期に売上高2336億円、営業利益127億円と過去最高を記録。ところが、これをピークに以降、売上高は1800億円台が続き、停滞感が否めない。その意味で、現行の中期経営では売上高を2000億円に乗せることが差し迫った目標となる。

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)