本格的な海外M&Aの第一弾に
中計の期間中、事業開発(半導体、レーザー、エネルギー)、工場機能拡張、運転資本圧縮、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連などの戦略投資として120億円、株主還元で160億円を想定している。
さらに金額は明示していないが、非連続投資としてM&Aや資本業務提携などのアライアンスを適宜検討するとしている。その第一弾として実行に移したのがRabyteグループの買収というわけだ。
実は、伯東にとって海外企業の本格的なM&Aは今回初めて。2012年、真空機器を開発・製造する独ファイファ―バキュームの日本法人「アディクセンジャパン」を買収(翌年、全事業を承継したうえで同社清算)しているが、現地企業の直接的な買収案件については手つかずのままだった。
国内では2024年、受託分析会社を買収
国内M&Aの取り組みはどうか。最も新しいのが2024年、化学分析や物性評価、機械試験などの受託分析サービスを展開するクリアライズ(茨城県ひたちなか市)の買収。2011年以来、十数年ぶりのことだった。
クリアライズは2020年、日立パワーソリューションズ(茨城県日立市)の受託分析事業が独立する形で発足した会社。伯東は受託分析を新たなサービスメニューとすることで、製造段階にとどまらず、より川上の研究開発段階での設備・機器の提案につなげるなどの相乗効果を見込む。
ビジョン具現化へM&Aの出番も増えるか
伯東は1953年、発振子向け水晶の輸入販売を目的に設立された。社名は原産地である「伯剌西爾(ブラジル)」と、本社のある「東京」の頭文字に由来する。独立系の専門商社として、取引先と自由度の高い関係性を成長の原動力としてきた。
「イネーブラー」。伯東が2030年を見据えた経営ビジョンに掲げるキーワードだ。イネーブラー(enabler)とは「何かを起動にする人」を意味し、顧客価値の向上に向けたアクションの起点となる存在を目指すとの思いを込めている。
その具現化の手立てとして国内外でM&Aの出番も増えることが予想される。
文:M&A Online