フジテレビを中核とするフジ・メディア・ホールディングス(HD)とアクティビスト(物言う株主)との攻防が一つの区切りを迎えた。

フジHD、2350億円規模の自社株買い

フジHDは2月5日、約2350億円を上限とする巨額の自社株買い(1株3839円)を実施した。発行済み株式の約3割にあたる規模で、旧村上ファンド系投資会社のレノ(東京都渋谷区)と、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが応じた。

関東財務局に提出した大量保有報告書によると、レノが保有割合を17.95%から4.34%に、ダルトンを共同保有者とする英ニッポン・アクティビスト・バリュー・ファンドが7.51%(うちダルトン6.14%)から1.61%(同1.32%)にそれぞれ減らした。

フジHDの筆頭株主の旧村上系はかねて、放送法上の上限である最大33.3%まで株式を買い増す用意があるとして、フジHD側に放送事業との関連が薄い不動産事業の分離・売却を求めていた。

こうした中、フジHDが2月3日に不動産事業への外部資本の受け入れの検討開始や自社株買いを決議したのを受け、保有株式を売却することで合意していた。

旧村上系、フジHD株式を売り残したまま

フジHDは旧村上系が保有株式をすべて売却したことが確認できれば、買収防衛策を撤回する方針としている。ところが、旧村上系は4.34%、ダルトンの関連ファンドも1.61%のフジHD株式を売り残したままで、対立の火種が完全に消えたわけではないのが実情だ。

さらに旧村上系は現在、フジHD関連で非公開化を目指しているサンケイリアルエステート(RE)投資法人の投資口の約16%を保有する。

サンケイREには不動産業のトーセイがTOB(公開買い付け)を実施中(3月6日まで)だが、旧村上系の買い増しなどで投資口価格は買付価格(12万5000円)を上回る高値圏が続いており、TOB成立が見通しにくい状況にある。

レンゴー、日本紙パルプ商事の新規保有が判明

2月中、5%超の新規保有が判明した数は10銘柄を超えた。旧村上系の複数ある投資会社の一つ、南青山不動産(東京都渋谷区)は段ボール最大手のレンゴー、紙専門商社の日本紙パルプ商事について、それぞれ5.04%、5.05%の株式を保有した。

レンゴー、日本紙パルプ商事はともにPBR(株価純資産倍率)1倍を下回り、株価が割安状態にある。保有目的はいずれも「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

国内投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)も精密機器のA&Dホロンホールディングス、基礎化学品のKHネオケムの2銘柄を新規保有した。このうちKHネオケム株式は5.49%保有後、買い増しを続けて2ケタの12.07%まで保有割合を高めた。