カフェチェーンを巡る大型M&Aが飛び出した。仕掛けたのは「牛角」、「大戸屋ごはん処」などを展開する外食大手のコロワイド。約440億円を投じて、「カフェ・ベローチェ」や「珈琲館」を運営するC‐United(東京都港区)を買収する。

コロワイドとして過去最大のM&Aで、これまで手薄だったカフェ業態の抜本的な強化が狙いだ。カフェ業界の勢力図にどんなインパクトがあるのか。

運営会社C‐Unitedを440億円で買収

コロワイドは4月1日付で、独立系投資会社のロングリーチグループ(東京都千代田区)から全株式を取得し、C‐Unitedを完全子会社化する。C‐Unitedの2026年3月期業績見込みは売上高11%増の358億円、営業利益40%増の18億2900万円。

コロワイドの2026年3月期売上高予想は7.2%増の2884億円。C‐Unitedが加わることにより、1割超の増収効果が期待できる。

C‐Unitedは2021年、いずれもロングリーチグループ傘下のシャノアール(カフェ・ベローチェの運営会社)と珈琲館が経営統合して発足した。ロングリーチは2018年にユーシーシーフードサービス(神戸市)から「珈琲館」事業を買収し、独立させた。2020年にはシャノアールを買収した。

さらに2022年、「カフェ・ド・クリエ」を運営するポッカクリエイトを買収(翌年、吸収合併)し、今日のC‐Unitedの陣容が整った。

「クリエ」を含めて主力3ブランド

同社の店舗数は全国563店(2月末時点)。「カフェ・ベローチェ」(約170店、セルフサービス)、「珈琲館」(約200店、フルサービス)、そして「カフェ・ド・クリエ」(約170店舗、セルフサービス)の主力3ブランドが大半を占める。

客層や客単価が異なることから、「立地やオケージョン(場面・状況)の使い分け、同一エリア内でのドミナント(集中)出店など競争優位性を備えている」というのがコロワイドの見立てだ。コロワイドグループ内のスイーツ・デザート事業との相乗効果も見込む。

コロワイドは居酒屋「甘太郎」を祖業とし、積極的なM&Aをテコに外食事業の幅を広げてきた。

最大の買収案件、カフェ5位を手中に

2012年に焼肉店「牛角」、2014年に回転すし「かっぱ寿司」、2020年には定食屋「大戸屋ごはん処」の運営会社を買収した。買収額は順に137億円、186億円、71億円。今回のC‐Unitedは400億円を優に超え、これまでの最大案件となる。

M&A Online
(画像=コロワイドが買収した…「牛角」、「大戸屋」、「M&A Online」より引用)

コロワイドは現在、様々な業態で約60の外食ブランドを持つ。このうちカフェ業態は「小さな森珈琲」、「蓮屋珈琲店」などがあるが、店舗数も限られ、事業の柱にはほど遠かった。そうした中、一気に勝負に出た形だ。

カフェ業界の現在の勢力図をどうなっているのか。言うまでもなく、断トツは全国約2100店舗を展開するスターバックスコーヒージャパン。

これにドトールコーヒー(ドトール・日レスホールディングス傘下)、コメダホールディングス、タリーズコーヒージャパン(伊藤園傘下)が続き、C‐Unitedは5位に位置する。