本記事は、永田智睦氏の著書『人生の選択肢を増やす資産スイッチ フィリピン不動産ではじめるお金とキャリアのマネジメント』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

選択肢
(画像=Rossin / stock.adobe.com)

投資上手な人に学ぶ“分散”のコツ

投資や人生、住む場所においても、「一点集中」は時に必要な場面があるもののリスクが大きいこと、一方で複数の選択肢を持っておくとリスクの抑制につながり、より多くの可能性も広げてくれることをお伝えしました。

では、どのような「分散方法」が正しいのでしょうか。

ひとくちに「分散」と言っても、手当たり次第に分ければよいというわけではありません。金融の話からは離れますが、人生における「仕事面」でのリスク分散を考えてみてください。

例えば、「金融業界で働いていた人が、居酒屋に転身する」ことはかなりのリスクを伴います。「金融で成功するか、居酒屋で成功するか」と、まるでギャンブルです。そうかといって、「不満を持ちながら金融系企業の給与だけで生きていく」のも、違うのではないかと思います。

ではどうすればいいか。まずは「自分の能力を活かせる職は何だろう……」と、これまでご自身が積み上げてきたキャリアやスキルをもとに、自分で新たに収入を生み出せる仕事を考える。そこから行動して、収入源をいくつか発生させる ―― これこそが正しい「リスク分散」、そして「個人としてのキャリアアップ」と言えるのです。

思考停止のワナに要注意!

投資も同じです。成功する人に共通する意識は、「偏った考えをしない」「チャレンジ精神があること」の2つです。いったいどういうことなのか、少し解説させてください。

私は講演などでよく、「日本人は1か10かのような考え方をしがちである」という話をし、共感を得ています。金融のことで言えば、今でも「貯金は安心、投資は元本割れするかもしれないから危険」といった偏った考えを持つ人がとても多くいらっしゃいます。ただ、この考え自体が間違っているとは思っていません。

しかしながら、みなさんご存じのように多くの日本人は、まだまだ投資より貯金を好む傾向にあります。この背景には、「お金を守りたい」「失敗したくない」という保守的な気持ちが強いことに加え、「貯金は安心、投資は危険」のように「世間一般的に言われていることなら間違いない」という思い込みも影響していると感じます。

そのため、結果的に「全てを貯金しておく」という考え方になるのですが、このプロセスは「間違っていますよ」とお伝えしています。

貯金一辺倒になってしまうと、投資に関する情報を自ら積極的に取りに行くことはまずなくなります。「これはどんな投資方法だろう? 自分にもできるかな?」などと調べたり考えたりもしません。その結果、自分で思考せず見聞きする情報だけに流されて極端な選択をしてしまい、大事な資産を失うケースも多々あるのです。

実際、「失敗が怖いから、資産運用は貯蓄だけ」という周囲の意見に流される日本人も少なくありません。それならまだしも、こうした考えをする人は、しばしば反対の行動をとります。芸能人やインフルエンサーなど著名人が言っていること、CMで見たことをすぐ鵜呑うのみにしたり、そればかりか、「ただ知っているだけの人」「誰かの知り合い」といった素人の金融情報などを信じて、「海外投資がいいのだな。じゃあ、あなたにお金を預けてブルーオーシャンのアフリカ株に投資するぞ」などと、明らかに詐欺に近いような話に投資してしまうといった、これまた極端な選択に陥るケースもあります。

つまり、「1か10かの考え方」は、言うなれば「何も考えていない」に等しいのです。誰かの言うことに流されて、大切な資産を守りすぎたり投げ打ったりしてしまう。そうした投資はリスクを下げるどころか、逆に上げてしまう場合もあります。

一方、投資で成功している方の多くは、こうした偏った考え方はしません。ではどんな考え方をするのかというと、2つの特徴があります。

1つは、「1~10」の間にある「2~9」についてもじっくりと考えて行動しています。

例えば、「この商品はリスクが高めだけど、その分、リターンも期待できるかもしれない」「初期投資は大きいが、自分の資産状況なら問題ない。将来性も十分にありそうだ」「もしこの方法がダメでも、他の手堅い投資先でカバーしよう」「リスクが低いっていうけど、この業者自体はどうなんだろう」「人としては良いけれど、金融は素人だから危険だな」など、いろいろな可能性を模索した上で、自分に合った分散投資を行っているのです。

外部からの情報も参考にはしますが、最終的に決断を下すのはあくまでも自分。だから、後悔することもありません。

「リスク」を正しく理解しているか ―― リスクとは「振れ幅」

そしてもう1つの特徴は、「チャレンジ精神があること」です。

私は、無謀なチャレンジを推奨しません。しかし、変化が速い今の時代、ある程度のチャレンジは必要だと考えています。

また、成功している方々にお話を聞くと、ほぼ全員が「投資に失敗はつきもの」だとおっしゃいます。これは資産運用において、とても大切なマインドです。なぜなら、投資やお金に関わること全般に「絶対に失敗しない」保証はないからです。ちなみに、成功している方に「成功の反対」を問うと、「何もしないこと」だとおっしゃいます。

当然、株式や不動産などの金融商品はもちろん、現金にもリスクはあります。

ここで、「リスク」という言葉のニュアンスも理解しておきたいと思いますが、金融業界でリスクとは、危険ではなく「振れ幅」を指します。つまり、「可能性」なのです。ところが、多くの日本人は「リスク=危険」と考えるので、前述のように「全てゼロになる」といった感覚を抱いてしまうのです。

一方、「振れ幅」と考えることができれば、そのような極端な考えには至らないでしょう。

例えば、為替レートが1ドル100円の時代に手にした100万円は、その時ドルに両替すれば1万ドルになります。しかし、将来円安になり1ドル150円になった場合、ドルに両替しても約6,666ドルにしかならず、価値が低くなってしまいますね。

ですが、だからといってゼロにはなりませんし、さらに時間が経てばまた価値が上がってくるかもしれない。この可能性が、「振れ幅」なのです。

さまざまなものの価値が常に変動する世の中で、「絶対」はない。しかし、リスクは振れ幅であることを理解し、その可能性の中で自分はどれだけ投資ができるのか。どれだけのリスクを許容できるのかを、自分で考え、投資先を選択する。

こうしたマインドが備われば、少しの価格変動で「得した」「損した」と一喜一憂して疲弊することがなくなります。やがて「自分らしい投資方法」を発見し、精神的にも経済的にも豊かさを享受することができるでしょう。

「そんなマインドは当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれませんが、これが意外とできていない人が多いもの。そのため、分散投資においては、まずこのマインドをセットすることから始めていただければと思います。

『人生の選択肢を増やす資産スイッチ フィリピン不動産ではじめるお金とキャリアのマネジメント』より引用
永田 智睦
愛知大学法学部法学科卒業。
宅建士、FP1級技能士、日本FP協会CFP認定者。
新卒で信用金庫に入社し、約6年間個人法人の営業として勤務。退社後、28歳で上京。独立系FP事務所を開業し、DragonBlood株式会社を設立。ポートフォリオの一環としてフィリピン不動産の取り扱いを始め、API Gateway株式会社代表取締役に就任。海外不動産の中でもフィリピン特化で海外不動産販売・管理を一貫して行う数少ない会社として10年を経過。実績として、多数の銀行融資取り扱いや、現地デベロッパーより日本マーケット販売6年連続1位、現地管理数120件以上がある。その他、個人向けの資産コンサルティング、金融知識のトレーニング事業を中心に、中小企業においての財務コンサルティングも多く行っている。未来の起業家を育てる教育プログラム「CEOキッズアカデミー」の講師も務める。お金の流れを変えて日本を豊かにしたいと願い、子どもたちが日本人でよかったと思える世界を創出したいと思っている。また、縁あって関わっているフィリピンと日本がお互い成長していく架け橋となりたいと考え、日本とフィリピンを行き来している。

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